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志情(しなさき)の海へ

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9/11 Memorial 空間に立つ:グランドゼロの現在、そしてBroadwayの賑わい!

2013-03-25 13:35:39 | グローカルな文化現象

                  (巨大モニュメントのプール)

9・11記念碑は十周年目の2011年に一般公開されたとのこと。ツインタワーの跡地はそれぞれ二つの巨大なプールが設置され、9メートルの滝がそれぞれのプールに流れ落ち、中央の空洞に注ぎ込まれる設計になっている。プールを囲む青銅の胸壁には3000名近くの犠牲者の名前が刻まれている。沖縄の平和の礎のようなコンセプトに近い。「アウシュビッツのように犠牲の上に成り立つ記念碑はアイロニカルね。同じなのね」と云うと若いRは「すべてコマーシャリズムなんですね」ともっと突っ込んだ見方をした。世界中から観光客がこの新たな観光スポット(名所)にやってくるのだ。朝から結構な人だかりである。モニュメントにたどり着くまでがまたセキュリティーチェックもあり、警戒態勢である。管理される記念碑でもある。

一瞬虹がかかったのでカメラを向けたが、何度このような犠牲と記念碑のセットを人類は作り続けるのだろうか?しかし、これらの犠牲者の声が加害者の曖昧さと共に記憶に残り続けるのだろうか。「これもアートと政治になるのかな」というと若いRは「これアートですかね」と言った。表現されたモニュメントもアートだと考えるが、5021案の国際コンペで選ばれた案がツインタワー跡のこの巨大なプールである。水である。水が命の根源の象徴としてあり続ける。その場を訪れる者たちに命を喚起させるものが、記憶を再現させる装置がそこにある。しかしそこから真実への道のりは遠くも感じられた。

9・11のあのツインタワー崩壊の映像が過る。世界を騙した映像でもあったのかもしれない。21世紀冒頭の虚構そのもののようなテロの真実の追及はネットで盛んである。それでも、実体として既成事実の上にモニュメントが造られ博物館が造られようとしている。大きな9・11記念公園になるのだろう。現に暴力システムと犠牲と虚構が現前するモニュメントとして立ち現れていく。真実はオブラートに隠され続ける。過去の歴史ではない。世界的規模でオブラートに包まれていく真実の姿を目撃していて、そこに立つことの悲しさがある。

9・11がわたしの意識を変えたのは事実だった。その後世界を強烈に意識してきたのはその衝撃の影響ゆえでもあった。何年ぶりかに国際学会に参加する衝動をもたらしたのだった。そして今日がある。

(ブロードウェイの賑わい)

地下鉄に乗り、歩き回ったので腰と足が痛くなった。研究素材の映像を見たり、ミュージカルのメッカのブロードウェイを歩くと世界から来た大勢の人々のにぎわいに圧倒されていた。四階席まである現代劇の上演を見た。安くても72ドルである。Vanya and Sonia and Masha and Spikeはチェホフの「桜の園」を下敷に現代アメリカの世相を切っている風刺が面白いドラマである。家を売る売らないが骨格だが、家を売らない決断を下す女優のマーサだった。つまり移動しないのである。Puzzle PiecesとしてすでにREVIEW(批評)で好意的に取り上げられていた。ステレオタイプのイメージを壊していく。名前に暗喩されたキャラクターの造形も謎解きのような面白さがあったのは事実だ。それにしても役者の、もう過剰で繊細で微妙な台詞のほとばしりや絡み合い(関係性)が、これでもかと演技で見せた。

45番通りには昨日行ったAL劇場だけではなくこのGolden Theatreを含め、多くの劇場がひしめいていた。この作品を見ている層は圧倒的に女性たちで中年以上、年齢の高さが目立っていた。ブロードウェイ劇場は世界の演劇フアンたちのメッカである。恐ろしいほどのパワーを秘めてあり続ける。魅惑の空間が立ち並ぶこの空間はやはり独特な何かなのだ。

(Golden Theatreの後ろにずらりと劇場が並ぶ)


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