
(沖縄タイムスも芸能欄で紹介していますね。那覇ー東京往復1万で行けたかな?見たい舞台です!)
【沖縄米軍基地テーマ「星の息子」 日本の「今」切り取る】
「まったく今の日本を描いている作品。こんなにホットな芝居は珍しい」
重要な役どころのベテラン女優・渡辺美佐子はこう話す。
離れ離れになった息子・星児を尋ね歩き、沖縄に初めてやってきた佐和子(渡辺)。そこではオスプレイのヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)建設や自然破壊に反対する住民たちの抗議活動が続いていた。「現実」を目の当たりにした佐和子は-。
沖縄に何度も足を運んでいる坂手の脚本では、普通の生活者が工事車両の進入を遮ったり、オスプレイの飛行を監視するなどの「日常」が事細かに描写される。舞台作品とはいえ、米軍基地の歴史や現状などを忠実に書き込んでいる。
今年は沖縄の本土復帰四十周年。「現状には詳しくなかったけれど、沖縄が背負っているものをあらためて知ってびっくり。現実を知らされ、では私たちはどう関わったらいいのかを考えたい」と渡辺。「ドキュメンタリーの中に演劇的要素をどう入れるか。どうしたら観客の皆さんと坂手さんの橋渡しになれるかを念頭に演じたい」
膨大な情報が盛り込まれ、難解なせりふもあるが、「理屈でなく、女の感性を大事にしたい。最後には『いいお芝居を見た』と言っていただけたらうれしい」。
毎年夏、被爆者の手記などをまとめた朗読劇「夏の雲は忘れない ヒロシマ・ナガサキ一九四五年」をベテラン女優の仲間とともに全国各地を回って演じている。
「同級生が十二歳で原爆で亡くなったんです。戦争の悲惨さ、敗戦のひもじさを知っている。そういう時代を生きた人間としてやらなければならない」ときっぱり。語り継ぐことの大切さを強く感じながら、こうも語る。「自分が今、どういう世界に生きているのかを知っておく必要がある」
今回の舞台が沖縄の現実を知るきっかけになればと願う。
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舞台では、佐和子ら女性二人がやぐらに上って夜空を眺めるロマンチックな場面が冒頭にある。坂手は「今の沖縄を見るとき、やぐらの塔の上にいる二人の女性が幻視されてきた」と、新作を書き下ろしたきっかけを話す。物語では、佐和子が息子を捜していく中で人と人がつながっていく。「人と人がつながり得ることを伝えたい。そして、沖縄の『過去』と『今』をつなぐ、それができるのは演劇ならでは」
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公演は二十八日まで。出演は渡辺美佐子、円城寺あや、中山マリ、松岡洋子ら。四千円。燐光群=(電)03・3426・6294。
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沖縄の基地問題を取り上げた作品をこれまでも発表してきた坂手。その一つで、普天間基地周辺に住む家族などが登場し、沖縄の実態を描く青年劇場公演「普天間」(坂手作、藤井ごう演出)が全国巡演される。十六日(所沢)、十九日(山梨・甲府)、十二月五、六日(東京・六本木の俳優座劇場)、同二十一日(那覇)など。青年劇場=(電)03・3352・6922。
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