何年前からか、チェーンメールでForbesの記事が送られるてくる。おそらく自らアクセスしたのかと思うが、現代ビジネスの最先端の興味深い記事が送られてくる。ビジネスとは全く縁がないのだが、面白いエッセイ記事を読んだことがあって、それ以来送られてくるのらしい。
確かに時代の先端でどんなビジネスや文化現象が起こっているのか、知ることができる。マメに読んでいるわけではないが~。
興味を持ったのが、ちょっと長いが、「ドS」渋谷慶一郎が振り返る、アンドロイドオペラ・東京公演である。
渋谷慶一郎はWikipeiaに以下の紹介がある。
「2012年、初音ミク主演による人間不在のボーカロイド・オペラ『THE END』を発表。同作は、2013年にパリ シャトレ座で公演されて以降、世界中で上演された。
2018年にはAIを搭載した人型アンドロイドがオーケストラを指揮しながら歌うアンドロイド・オペラ『Scary Beauty』を発表。
2020年には映画『ミッドナイトスワン』の音楽を担当、第75回毎日映画コンクール音楽賞、第30回日本映画批評家大賞映画音楽賞を受賞。
2021年には新国立劇場の委嘱により、アンドロイドとオペラ歌手やバレエダンサー、視覚や聴覚に障害を持つ子供たちの合唱とともに作られた新作オペラ「Super Angels」(指揮・大野和士、脚本・島田雅彦)を作曲。
2022年3月にはドバイ万博にて、アンドロイドと1200年の歴史を持つ仏教音楽・声明、UAE現地のオーケストラとのコラボレーション作品 アンドロイド・オペラ「MIRROR」を世界初演。
2022年4月、蜷川実花監督映画「xxxHOLiC」の音楽を担当、アルバム「ATAK025 xxxHOLiC」を発表。
最近では、大阪芸術大学に「Android and Music Science Laboratory (AMSL)」を開設、ロボット研究者の石黒浩やコンピュータ音楽家の今井慎太郎らと共に客員教授に就任。新生アンドロイド・オルタ4が誕生、ラボの設計を建築家・妹島和世が務める。
また、これまでにフランスのパレ・ド・トーキョーでアーティストの杉本博司、パリ・オペラ座でエトワールのジェレミー・ベランガール(英語版)となど数多くのコラボレーションを発表。
世界的な人工生命の研究者である池上高志とは15年に及ぶノイズや立体音響による協働、開発を行なっている。作品を通して人間とテクノロジー、生と死の境界領域を問いかけている。」
上記の紹介で、この方のこの間の実績と作曲家としての立ち位置が分かるが、Forbesの長いエッセイはより具体的に昨今の公演を伝えている。アンドロイドオペラの実態がイメージできる。人間とAIと、伝統とインクルーシブで多様性のある統合芸術(オペラ)を実験的に、万全に公演を成功させ、世界に注目されてきた音楽家ということがわかる。声明とアンドロイド(AIが編み出す音楽)パフォーマンスは声楽、しかも手話だけの表現と歌姫たちの競演を含め、実に多彩、カレイドスコープな意外性に満ちている。西欧オペラにないアウフヘーベンした。人間とAI、映像、身体、声、リズム、オーケストラの統合、つまり総合芸術としての先端オペラなのらしい。
その傾向は沖縄にも押し寄せている。連鎖劇があった戦前から戦後にかけて、映像とリアルな役者のパフォーマンスの実践があったが、どの時代にも、あらゆる芸術形態が、先端技術をからめて表出されていくこと、たゆまない人間の創造(想像)力の創出に他ならないのだろう。チョムスキーが人間は創造する生き物だと言い切った、その本質的な欲動が樹木の根っこのように、触手を伸ばしていくのらしい。それは誰も止められない。
技術の進化と共に、あらゆる芸術活動も変化していく。普遍的なものと優柔無碍に変容していくものが相まって、あらたな表現が生まれていく。
人間の頭脳を凌駕していく勢いのあるAIと古来から人類が培ってきた伝統や文化が融合していく。その先端技術が切り開くアートの領域も人間の身体が中心である。声明の神秘的な声の魅力がAIの創出する声や音階と重なる。スリルがあったに違いない。
伝統芸能の底知れぬ力、美が潜んでいる。沖縄の伝統芸能もまた昨今異なるジャンルとのコラボや、新しい文明の利器を駆使したパフォーマンスが盛んになっているように見える。こちらも弁証法的進化に見えなくもない。
渋谷慶一郎を検索していると、
宮台真司氏退官記念トークvol1
『90年代以降のニッポン社会と音楽・サブカルチャー』
『90年代以降のニッポン社会と音楽・サブカルチャー』
2024/3/27 19:00~ LOFT9 Shibuya
出演 #宮台真司(社会学者) #渋谷慶一郎(音楽家)
#西村紗知(批評家)
司会 #ジョー横溝
出演 #宮台真司(社会学者) #渋谷慶一郎(音楽家)
#西村紗知(批評家)
司会 #ジョー横溝
に行きついた。そこで西村紗知(批評家)を検索すると椎名林檎のYouTube動画を観ることになった。なるほどで~。音楽評論家の彼女の本が椎名林檎についてである。
椎名林檎を論じて見えてきた現代の大衆と文化
「2021すばるクリティーク賞」受賞者、西村紗知さんインタビュー
椎名林檎の音楽を意識的に聞いたことがなかったので斬新に思えたと同時にアメリカに留学した20代の頃、ロンドンの日本人向け書店で江藤淳の『成熟と喪失』の文庫本を買ってヒースロー空港からケネディー空港に向かう飛行機の中で読んでいたような記憶がよみがえった。沖縄に戻ってからも江藤淳の文庫は読み返していた。日米関係や母性、家族の問題が論じられている批評は母性の喪失を浮き彫りにしていると感じたのだが、今PCの前の書棚にあの文庫がまだあったはずだと探してみたのだが、見つからない。なぜか懐かしい。西村紗知さんの著書は読んでみたい。
以上、昨今あまりPCの前に座る時間がなかったので、久しぶりに面白い検索だった。謝!
所で、Forbesと対象的に、Robert Kennedy Jr が主宰するチェーンメールも送られてくる。こちらはアメリカ社会、同時に世界の闇を鋭く追求するリアルに満ちている。子供たちの命を守るための啓発的なサイトだという事が分かる。
The Film They Don't Want You to See + More on CHD.TV
| 8月3日(土) 23:02 (4 時間前) | |||
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