
12月22日、「コンタクト・ゾーンとしての文学」のセミナーを途中から拝聴した。それから気になって分厚い『冲縄・ハワイコンタクト・ゾーンとしての島嶼』の本を紐解いた。山里勝己さんの序章がいい。文学のコンタクト・ゾーンに関して、基調講演者の鈴木智之さんはどうやら、山里さんが提示したプラットの『帝国の眼差し』の概念を基に文学と社会の切り結びを切開してみたということだった。プラットの翻訳はまだでていない。原本はImperial Eyes: Travel Writing and Transculturation Mary Louise Pratt (2007/9/27)
である。文化や文学、パフォーマティブ性、文化人類学が気になる人には必読かもしれない。そして思ったことは、『人の移動と21世紀グローバル社会』の琉球大の5年に及ぶプロジェクトは、かなり質・レベルの高い研究成果をもたらしている、ということである。関連書籍は12冊に及ぶとお聞きしたけど、どうなのだろう?そのプロジェクトが実は日本の人文・社会科学の研究の中でも斬新だということはその後に、類似する概念での研究本が出されつつある点からも伺える。
冲縄の地理的特性、歴史・文化の柔軟性とグローバル性がもたらすものの果実は実はとても大きいのだと言えよう。詳細は紹介できないが是非研究成果を読んでほしい。そこからかいま見える現実と未来がある。l