(かつて上原栄子さんが経営した「八月十五夜の茶屋」が出した写真集)
歴史が歪曲されることが、すでにはじまっているようなそんな気配の中にある。歴史修正主義が八重山を襲い、マスコミの果敢な報道にもかかわらず、あの公民の教科書は使用されることになるのらしい。それを覆すことにまで至らない闘いは後退ではないのだろうか?教える教師がテキスト(教科書)を超える指導をしたらいいのかもしれないが、結果としてみたら反戦平和の理念が教育長の作為で歪められたと見える。それでほんとうにいいのだろうか?どこか県の教育長の姿勢も理不尽に思える。筋が通らない制度の中で国の意向にそって事が推移するのである。それを阻止できなかったことに対することばを聴きたい。それでいいのですか?そして、第32軍司令部豪跡の説明板の問題である。また事実を歪曲する県の姿勢がある。それを撤回させる姿勢が弱いと感じる。自ら嘘で塗り固める歴史の修正である。
こんな事が許される時勢である。「海鳴りの島から」で目取真さんがかなりこの問題にコミットして書いている。資料が豊富に提示されている。辻の若藤楼の女性たちが牛島中将とその参謀たちといっしょに南部の司令豪で最後を迎えたことなど、美談として右翼系メディアで伝えられたこともあるが、資料から最後の場面の詳細が明らかになってきたようだ。私の関心は戦争という極限状況の中でかつ参謀の愛人として生き死にを共にしたジュリの女性たちのあり様が、それがそのまま辻の女性たちの生きざまを伝えている点にある。「里になりら」で女性たちが嫌がおうにも運命を委ねたことである。素朴で従順に男に仕え、男を愛して死出の旅に出る女性たちの潔さでもあるが、美しいジュリの女性たちとその抱え親のアンマーがいっしょに死を選んだことに辻チョウデーの関係性が突出してそこに顕れているようだ。辻、そしてジュリの存在が際立っている。彼女たちは最後まで愛人だったのである。それが戦場だったにもかかわらずーー。
また単に慰安婦ではなく、つまり不特定多数の兵のSEX処理の女性ではなく、愛人として参謀に付き添っていたということが気になる。一方で戦場を性のオブジェクトとして移動し彷徨った元芸者の女性や朝鮮から連行されてきた女性たちについての証言も残されている。戦争という鉄の暴風、非情事態の中で彷徨った人間達の記録はただその凄まじさに驚嘆するのだが、人間がお互いに殺し合うというその行為(戦争)そのものの中で繰り広げられた人間の営みの無残さ、死臭が漂う、そこでさらに性的欲望のはけ口として徴用された女性たちの存在は何を意味するのだろうか?
*****************************
第32軍司令部壕説明板問題を考えるために
前にも紹介しましたが、明日17日(土)に首里の第32軍司令部壕跡に設置予定の説明板文案から、「慰安婦」「住民虐殺」の記述が削除された問題の緊急学習会が開かれます。本ブログでも紹介した『南の巌の果まで』の著者である渡久山朝章さんの証言もあります。67年前の司令部壕の状況を知る渡久山さんから、じかに証言を聴ける大切な機会です。説明板問題を考えるために、多くの皆さんのご参加をあらためて呼びかけます。
「県による「慰安婦」「住民虐殺」記述削除についての緊急学習会」
1 講 演 ・・・ 沖縄戦研究者による史実から見た「慰安婦」「住民虐殺」問題について
講師:大城 将保さん(県史編集委員・元県立博物館長)
2 報 告 ・・・ 第32軍司令部壕説明板検討委員会委員による経過説明等
報告者:新城 俊昭さん(説明板設置検討委員・沖縄大学客員教授)
3 証 言 ・・・ 司令部壕にいた元学徒兵の証言
証言者:渡久山 朝章さん(元鉄血勤皇師範隊)
4 集会アピール
● 日 時 3月17日(土) 午後6時~8時30分
● 場 所 教育福祉会館3階ホール(興南高校隣り)
主催:平和ガイド団体多数、青春を語る会、沖教組、高教組
http://www.qab.co.jp/news/2012030934307.html
歴史が歪曲されることが、すでにはじまっているようなそんな気配の中にある。歴史修正主義が八重山を襲い、マスコミの果敢な報道にもかかわらず、あの公民の教科書は使用されることになるのらしい。それを覆すことにまで至らない闘いは後退ではないのだろうか?教える教師がテキスト(教科書)を超える指導をしたらいいのかもしれないが、結果としてみたら反戦平和の理念が教育長の作為で歪められたと見える。それでほんとうにいいのだろうか?どこか県の教育長の姿勢も理不尽に思える。筋が通らない制度の中で国の意向にそって事が推移するのである。それを阻止できなかったことに対することばを聴きたい。それでいいのですか?そして、第32軍司令部豪跡の説明板の問題である。また事実を歪曲する県の姿勢がある。それを撤回させる姿勢が弱いと感じる。自ら嘘で塗り固める歴史の修正である。
こんな事が許される時勢である。「海鳴りの島から」で目取真さんがかなりこの問題にコミットして書いている。資料が豊富に提示されている。辻の若藤楼の女性たちが牛島中将とその参謀たちといっしょに南部の司令豪で最後を迎えたことなど、美談として右翼系メディアで伝えられたこともあるが、資料から最後の場面の詳細が明らかになってきたようだ。私の関心は戦争という極限状況の中でかつ参謀の愛人として生き死にを共にしたジュリの女性たちのあり様が、それがそのまま辻の女性たちの生きざまを伝えている点にある。「里になりら」で女性たちが嫌がおうにも運命を委ねたことである。素朴で従順に男に仕え、男を愛して死出の旅に出る女性たちの潔さでもあるが、美しいジュリの女性たちとその抱え親のアンマーがいっしょに死を選んだことに辻チョウデーの関係性が突出してそこに顕れているようだ。辻、そしてジュリの存在が際立っている。彼女たちは最後まで愛人だったのである。それが戦場だったにもかかわらずーー。
また単に慰安婦ではなく、つまり不特定多数の兵のSEX処理の女性ではなく、愛人として参謀に付き添っていたということが気になる。一方で戦場を性のオブジェクトとして移動し彷徨った元芸者の女性や朝鮮から連行されてきた女性たちについての証言も残されている。戦争という鉄の暴風、非情事態の中で彷徨った人間達の記録はただその凄まじさに驚嘆するのだが、人間がお互いに殺し合うというその行為(戦争)そのものの中で繰り広げられた人間の営みの無残さ、死臭が漂う、そこでさらに性的欲望のはけ口として徴用された女性たちの存在は何を意味するのだろうか?
*****************************
第32軍司令部壕説明板問題を考えるために
前にも紹介しましたが、明日17日(土)に首里の第32軍司令部壕跡に設置予定の説明板文案から、「慰安婦」「住民虐殺」の記述が削除された問題の緊急学習会が開かれます。本ブログでも紹介した『南の巌の果まで』の著者である渡久山朝章さんの証言もあります。67年前の司令部壕の状況を知る渡久山さんから、じかに証言を聴ける大切な機会です。説明板問題を考えるために、多くの皆さんのご参加をあらためて呼びかけます。
「県による「慰安婦」「住民虐殺」記述削除についての緊急学習会」
1 講 演 ・・・ 沖縄戦研究者による史実から見た「慰安婦」「住民虐殺」問題について
講師:大城 将保さん(県史編集委員・元県立博物館長)
2 報 告 ・・・ 第32軍司令部壕説明板検討委員会委員による経過説明等
報告者:新城 俊昭さん(説明板設置検討委員・沖縄大学客員教授)
3 証 言 ・・・ 司令部壕にいた元学徒兵の証言
証言者:渡久山 朝章さん(元鉄血勤皇師範隊)
4 集会アピール
● 日 時 3月17日(土) 午後6時~8時30分
● 場 所 教育福祉会館3階ホール(興南高校隣り)
主催:平和ガイド団体多数、青春を語る会、沖教組、高教組
http://www.qab.co.jp/news/2012030934307.html