志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

「私たちは買われた」の展示会、多くの方が押しかけ、頼み込んで入場!

2017-08-19 18:08:50 | 真実の在り処

しかも、30分待ちである。手記も多く1時間以上展示を見るのに時間が掛かるとのこと。8時までだけどー。駐車場の係りの若い女性に頼み込んで一応会場に入ったのだけどー。テレビのニュースでも流れたとのことだった。

いいチラシがあったのですね。まだ中に入れない。戦前のジュリを追いかけていたが、戦後も同じ状況がつづいてきた沖縄である。

12歳から実母に料亭に売られた女性の話は、現在に続く少女の置かれた位相を意識させる。

****はじめて宜野湾市の男女共同参画支援センター「ふくふく」へ行った。駐車場は広く80台駐車可はいいね。たまたま新聞で見たこのタイトルのキャッチコピーが目を引き付けた。関連するドキュメント書籍は既に出版されている。

仁藤夢乃さんは新聞でも紹介されていたが、ご自分の体験を基に『難民高校生』を2013年に出版している。また新たに『女子高生の裏社会ー「関係性の貧困」に生きる少女たち』を2014年に出版している。頼み込んで待たされて展示会場に入ったのだが、メインの展示は小学生から中学生、そして高校生などの少女たちの買われた実体験、そのいきさつ、背後の家族社会の状況が印字された展示を読むのが主である。写真も何枚か展示されている。しかしメインは体験記録を読む展示である。南部のひめゆり会館のあの戦時中のドキュメント・体験記録を読むのと似ている。

とても衝撃的ということではなく、すでに既知のドキュメントにも見えた。書籍が先行していて脳裡に刻まれているゆえに、斬新さはない。書籍を読む行為とどう異なるのだろうか?ぐるっと展示されたドキュメントを8割ほど読んで、中には直筆の日記もあったが少ない。ワードでまとめた体験記録もあった。最後に展示された写真を見た。そこには表現としての意図はあまり感じられない。キャッチコピーに引き付けられていたのは、確認したい、という思いがあったからだったのかもしれない。

類型としての家庭崩壊、知的障害、いじめ、厳しい教員の父母の監視、義父や実の父親による性的虐待、彼氏のいる母親など、また施設は監獄の環境をのがれた少女など。ぬくもりとしての男性との交わり、DV、CD、「JKリフレ」「JKお散歩」。多様に少女達を誘引・利用する仕組みが創られていることー、眩暈のような変わらなさ、何者かの力が背後でにんまりしているような社会の歪といおうか、暗渠のようなものに、唖然とする。少女達が無意識であれ、何かに囚われ、生きていく手段として「買われた」そして性的に虐待、暴力を受けたことは事実で、その中で懸命に生きている姿にエールを送りたい。性の領域において、彼女たちを利用する者たちがエリート層でもあること、そのからくり、普通の社会、普通の家族に見える現世界の闇が貫かれているのも事実のようだ。それでなぜ、君はそこにいたの?

一人の女性のことが念頭から離れなかったからだ。一畳の部屋をあてがわれて多くの男達と係わざるをえなかった12歳だった少女がそこから出たいともがきながら生きてきた事と重ねていた。そこに恋愛もあった。社交ダンスをしながらおなかの中で胎児が蹴ってもいた、そんな時を通り過ぎてきた女性の人生の物語をなぞっていたのかもしれない。一冊の本を読んでもいい展示だった。展示にするならば、創造(想像)空間にしてほしかった。彼女たちの創造した何か、絵画でもスケッチでもいい。物語でもいい。写真でもそれは想像されたもの、リアルを越えた表象として何かがほしかった。

つまり、展示というには展示で物足りなかった。このような展示を繰り返すのならば二度と参加したいとは思わない。一冊の書を読んだ方がいいのである。1500円で買える。来てよかったのは演劇関係者の犬飼さんや当山さんと少しお話できたことかなー。普段女性や子供の貧困のためのプロジェクトやプログラムに参加することがなかったので、会場で目にした多様なチラシがいいと思った。実態としての公の企画、サポート体制はいいね。これも一つの機会(遭遇・記録)として紹介したいと思う。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。