映画『オッペンハイマー』 をまだ観ていないのですが、アカデミー賞受賞作品で、かなりのインパクトを社会的現象としてもたらしているのですね。ブログ「私の闇の奥」でとてもいい批評を書かれているのが、物理学者の藤永茂 - Wikipediaさんです。久しぶりに藤永さんのブログで公開された批評を読むと、いろいろと考えさせられました。映画やオッペンハイマーのドキュメントを観なければ、と思います。新聞などで掲載されているいわゆる著名人(?)のコメントを読むと、映画監督の視点への懐疑が起こったりして、観たくないという思いもあって、映画欄をスルーしていました。
しかしさすが物理学者の藤永さんは深くコミットしています。かなりのディテールを書かれています。さっとブログの批評を読んで、なるほどと思ったついでに、このブログでもご紹介したいと思います。
【5時半、ああ、赤ショービンの鳴き声が聞こえてきた。また上間の杜にやってきたんだ!】
藤永さんのブログを読むと、ノーマン・フィンケルスタイン著立木勝訳の『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』という書籍が発行されていることがわかりました。人間社会は、貪欲であさましく、限りない利得を追及する「属性」を絶やすことはない、ということになりそうです。それを皮肉って「オッペンハイマー産業」と揶揄しているのですね。
科学技術の諸刃の剣、破壊と創造、その狭間に浮遊して存在しているわたしたち(?)。地球惑星が存在する限り、というより人類が存在するかぎり、破壊と創造は繰り返えされるのでしょう。破壊には殺戮や犠牲が伴います。想像、創造が立ち消えることはありません。物理学者の慧眼に感銘を受けた朝です。
【ああ、小鳥たちの涼やかな鳴声は美しい。そこに遠くから救急車のサイレン、そして万福寺の鐘の音】