『原発プロパガンダ』から、一部うつさせて頂こう。←「マスコミにのらない海外記事」さんから
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無料のインターネットが普及した現在においても、視覚と聴覚を同時に刺激するテレビの影響力は未だに絶大だ。それほど絶大な影響力をもつメディアがなぜ「無料」なのか、視聴者はきちんと考えなければならない。そのカラクリが理解できれば、テレビが発信する情報のどれに価値があり、ないかがわかるはずだ。
ここで改めて、メディアの情報に接する際の留意事項を記しておこう。
一)メディアは決して潔癖ではなく、間違う、嘘をつく、利益誘導する存在だということを認識する
二)ニュースを見る際、漫然と見るのではなく、その発信者、ニュースソースが誰なのか、何 のために発信しているかを考える癖をつける
三)大手メディアが同じ論調の場合、なぜそうなのか疑う。異なる意見がないか意識を持って 探し、それぞれを比較して考える
四)各メディアの企業特性、親会社、株主などを知っておくと、利害関係が理解できる
五)そのニュースによって得をするのは誰か、逆に損をするのは誰かを考えるいずれも、自分の目と耳で聞き、確かめ、考えることが重要であることに変わりはない。繰り返すが、テレビやPCの前でただ座っていたのでは、正しい情報は得られない。原発プロパガンダがそうであったように、資金を持っている政府や大企業は凄まじい量のPRで国民の意識を麻痺させようとする。それに抗う第一歩は、ありきたりではあるが個人の意識をしっかり持つことにかかっている。そしてそれが、3・11以後の時代に生きなければならない、私たち に課せられた義務なのではないだろうか。
216ページ「おわりに」の最後にこうある。
そして、広告代理店やメディアの実名を書いていることで尻込みする他の出版社をよそに、この内容をそのまま世に出してくれた岩波書店の皆さんにも、この場を借りて厚く御礼を申し上げたい。
どのような強者であっても、いずれは歴史によって裁かれる。たとえ今はドン・キホーテに見えたとしても、筆者の仕事がその一助になればと願っている。