タイで無国籍者数千人に国籍付与

4年前にタイ国籍を取得するまで無国籍だったアカ族のティーダ・アーニー
タイで2万人近くが国籍を取得
12月1日―UNHCRは、過去3年間に無国籍者1万8000人以上がタイで国籍を付与されたとするタイ王国政府の発表を歓迎しました。
タイの無国籍者や無国籍の恐れがある人々は、多くの場合タイ人とは登録されていなかったり、元の出身国との関係を失ったりしています。多くの人々が遠隔地や国境地帯に暮らす山岳民族に属し、権利や国籍の手続きに関する情報の入手が限られています。
無国籍であるために権利が狭められる
「国籍がないと、自由な移動や財産所有の権利を含む人権すべてを享受することができないと言います。無国籍者は多くの場合、手ごろな医療サービスや高等教育といった基本的なサービスを受けられません」とジュネーヴでの記者会見でUNHCRのウィリアム・スピンドラー報道官は述べました。
彼は、移動制限と不十分な教育のために仕事の展望も限られていると付け加え、先日発表された無国籍の青少年への影響に関するUNHCRの報告の中で、これらの課題が説明されていると述べました。
タイ当局法的枠組みを整備
タイ当局は、この問題を認め、2005年の個人の法的身分と権利の管理に関する国家戦略を通じて国籍取得のための法的枠組みを制定し、タイに長く暮らすいくつかのグループの国籍取得を進めるため2008年に法改正も実施しました。
マハー・チャクリ・シリントーン王女による主導が、学齢の子どもと脆弱な立場にある人々への大規模な国籍付与を後押ししています。さらに、タイ民族ではないと判明した人々は規定に基づいて永住者とされ、同時に関連案によって医療や教育を受けるための枠組みが提供されています。
UNHCRも取り組み強化
近年、UNHCRは、有資格の申請者を適切な時期に処理するため申請手続きの合理化を進めると同時に、無国籍の問題を抱えるコミュニティに支援を提供するため当局と協力しています。UNHCRは、地区レベルで決定権を持つ人々の間の能力形成を支援し、遠隔地の村へ派遣する移動チームの育成に資金を提供しました。このほかにもUNHCRは、各コミュニティへの対応と助言をおこない、国籍申請書の記入を手伝い、係争中の申請に関して追跡調査をおこなっています。
全世界で1000万人以上が無国籍だと考えられています。UNHCRの報告による無国籍者数は350万人のみであり、その40パーセント以上がアジアにいると報告しました。UNHCRはタイの国籍付与における進展がこの地域の他国にとっての建設的な例になることを期待しています。
10年間にわたる世界中の無国籍をなくすためのキャンペーンについての詳細な情報はこちら
http://www.unhcr.org/ibelong/
詳細はこちら(英文)
Thousands of stateless people given nationality in Thailand