ぶろぐ猫の目

笑う門には福来る・・

実験中

20世紀梨

2005-08-19 22:31:26 | どうでもいい話

昔、小学生のころの話さ。
鳥取に遠い親戚がいたのね。

毎年、今くらいの時期になると20世紀梨を
送ってきてくれてたんだ。


うれしかったな~


ダンボールの箱を開けると、鉋屑(かんなくず)を掻き分ける。
鉋屑の中から、グリーンに輝く大きな塊が顔を出すんです。
感動だぜ。


市場で売ってるものより一回りはでかかったな。



それが来ると、いても立ってもいられなくて、食べたくて仕方ないんだ
その頃からせっかち。

「早く食いたい」
「梨食いたい」
「早く食いたい」
「梨食いたい」

っておかんに言うわけ。

「早く食いたい」
「梨食いたい」
「早く食いたい」
「梨食いたい」

いいかげんおかんも切れるわな。

おかんは、冷やして、晩御飯の後にデザートとして
食おうと思ってるのに、
馬鹿息子は


「早く食いたい」
「梨食いたい」
「早く食いたい」
「梨食いたい」

とほざくものですから、次の瞬間。


「そんなに食いたいんだったら、食わせてやるわ!!!」



って言って、梨を丸ごと、俺の口に押し込みやがったンですわ。


「ゴリゴリゴリゴリ!!!!」
「あわわわわわわわ!!!!」


危なく窒息するところだぜ!歯も折れるかと思ったわ!


少し泣いたわ。




そのころ猫飼ってたんですが
猫のトイレ、ベランダにおいてあったのね。
猫は結構きれい好きだから、トイレが汚れてると
違うところへ粗相するんですわ。


その日、梨食おうと思って、箱に手を入れると
なんか濡れてるの・・


「ん?」


「おかしいな?雨も降ってないのに・・・?」


「ひょっとして?」


恐る恐る手を臭うと・・・



「くっさー!」



猫のやろう、梨の箱の中の鉋屑に小便しやがったんです。

思わず馬鹿な俺は近所中に響き渡る声で



「梨の箱に猫がおしっこした~!!!」


っておかんに報告してしまったんだな。


「どうするの?この梨?」

っておかんに確認すると



おかんは、近所に聞こえるような大きな声で



「そんな、汚いもの、捨ててしまいなさい!」



っていうじゃな~い



だから、素直な俺様は、


「梨捨てるんだ・・・もったいない・・・」


といいつつ、梨を捨てるつもりで、ぽいぽい放っていたのね。



そしたら、おかんが、ぴゅ~って走ってきて


おれの頭殴って


「このばか!」


っていうじゃな~い



で捨てるつもりの梨拾って、洗ってるの。


で洗いつつ、親父に、


「この馬鹿、ほんとに捨てるつもりだったよ」
って言ってるの。



どうも、近所の手前、捨てるっていっただけなんだな。



そうだろうな、猫のションベンくらいで、うちのおかんが


捨てるわけないわな・・




正直なだまされやすい俺は、大人のずるさを見たね。



少し泣いたな。



その日の梨は少ししょっぱかったな。







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