素人麻雀放浪記 25
黎明期
初めて、牌を握ったのは高校3年だったなあ
友達の杉田君の家に遊びに行ったとき、杉田の親父さんに教えてもらった。
ドラえもんのポンジャラゲームの延長のようで面白かったなあ。
ポンジャラのうすっぺらな軽いプラスチックではなくて
はじめて触った牌は、重たくて冷たくて重厚感があってなんだか、
刻まれた模様を触ると
不思議な感覚だったなあ
大人の世界に踏み込んだって感じでしょうか
杉田のおやじさんにルールをおしえてもらいました
順子、刻子を4つつくって、あと雀頭が2枚これが上がりのかたち
ってとこから教わってね
杉田家の家族麻雀にまぜてもらってやってみたんだよなあ
白発中がわからずに、1枚ずつあつめて1刻子できた!
とかいって上がって
笑われたなあ
なつかしい
高校時代はそれだけだった
そして本格的(?)にはじめたのが大学時代。
同じクラブの北野が、高校時代からやっていて僕らの先生でした。
面子は、同期の北野、今井、伝、小田そして猫の5人
覚えたての頃は楽しくてね、毎日でもやりたかったね
でも、雀荘いったら金がかかるしなあ
なかなかできなかったなあ
そういえば
その頃は、雀荘といえど今みたいに全自動なんて無かったからなあ
毎回手で積んだもんですよ
学校の周りには、雀荘が2軒あったけど
いつも満員だった
タバコの煙とじゃらじゃらまぜる牌の音
いまみたいに換気が良い訳でもなく、照明もちょっとくらくてね
なんとなく退廃的な雰囲気がただよってたねえ
当時の学生の娯楽なんて、麻雀かビリヤード、ボーリング、映画
そんなもんだったなあ
カラオケがあるわけじゃなく、パチンコ、スロットも資金がないとね
風俗だって、ソープはあったけど
ヘルスなんてなかったもんなw
学生が手軽に抜ける時代じゃなかったよなあ
そんなことはどうでもいいんです
雀荘行くと金がかかるので、今井の下宿でやったこともあったなあ
下宿でやると、音がうるさくてねえ。壁なんかうすいうすいから
迷惑になるから牌を混ぜるとき毛布をかぶせて混ぜたもんですよ。
それでもうるさくてね。怒られたもんですよ
なつかしい
牌を混ぜるとき、ふせて混ぜないと
はしっこい奴は、牌を覚えますからねえ
わしら素人はそれどころじゃなかったけどね。
それでも、あのへんに「白」があったなとかわかるもんねw
今井の下宿もそういけるもんでもなく、雀荘も金がかかるし
貧乏学生だったわしらは、やりたくてもやれない
セックスと麻雀でしたねえw
それに、猫と北野はアホの経済学部だったけど
その他のメンバーは、賢い工学部だったので
なかなか時間が合わなくてねえ
なもんで
「今日、麻雀やろうか?」っていうのが
なかなかいえなくて
どうしてもやりたくなったら、手を叩くのを合図にしたんですよ
「今日・・・?」って言いながら手を叩くw
すると、OKなら手を叩くw
そんなことが楽しい日々でしたな
麻雀放浪記〈1〉青春篇 (文春文庫) | |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |