久しぶりの三連休。
三連休ができたら、中日はどこかへ出かけるのを常としている。とくに、11月末の休みは好きだ。まだ寒すぎもせず、歩き回るには最適の気候である。
人出は多いけれど…この時期であれば、むろん紅葉の季節だから人出は多いに決まっている。賑やかな中を一人で歩くのも決して悪くはないのだ。
東福寺は、紅葉で有名なのは知っていたが、ここ以外をついでに回ろう、と思う場所があまりなかったので行っていなかった。
泉涌寺は以前に行ったし、かといって伏見に行くのもまた電車だし、三十三間堂もちょっと半端な距離。
例えば清水あたりはいくらでも歩いて回れる見どころがある。南禅寺付近なら永観堂、平安神宮にも徒歩で行けるし、嵐山なら嵯峨野まで足を延ばしても良い。
つまりは一回で何か所も歩いて回れるのが京都らしいところなのだ。
しかしながら、天気予報では雨、それも昼頃に90%という予報である。私の目的は紅葉の写真を撮ることもあるのだけれど、傘をさしてあちこち回りつつ写真を、というのはしたくない。それならば欲張らず、東福寺のみでよいから出かけよう、と決定。
京阪東福寺駅は予想通りの混雑。雨が来そうな月曜でこれなら、天気の良かった昨日はどうだったのだろう、と思いながら、人々の歩くほうへ行く。迷いようがないのだ。
特に風情のない街中を、車の往来の多い広い道路を抜けて歩いた。
しかし紅葉はさすがに有名なだけの事はあり。
ただし遠くからみれば、である。
以前、写真家としての仕事を片手間にされていた生徒さんがいらして、もう70代の女性なのだが、京都あたりの紅葉はもうだめ、とおっしゃっていた。
確かに、先のほうがからからに乾いてしまったような、縮れた葉がたくさんあるのだ。かなり田舎のほうまで行かなければほんとうに色も形もきれいな紅葉は見られないそう。
家に戻ってみると、新聞に前日の東福寺の様子がたまたま、写真入りの記事で載っていた。
猛暑のおかげで、紅葉の色づきはよいだろう、という話は聞いていたが、やはりそうらしい。通天橋からの眺めは素晴らしいものだったし、それ以外の場所でもさまざまな色が楽しめた。まだ緑の葉ものこっているせいで、かえって華やかな景色になったようだ。