我が家の近くにもあるけれど、香りの高い花の咲くこの木はなんだろう。
先週のレッスンは、「位置を伝える・道を教える」がテーマのものが多かった。
in/on/at等の前置詞の使い方、あるいはgo over the bridge and turn right、のようにどこかに行く道順の伝え方の練習だ。
面白いのは、道順を教える時に「この人は地図見るの苦手だな」というのがわかる事だ。右に曲がってから左に曲がったら右側にありますよ、などという説明に混乱しテキストをぐるぐる回す、という事態が発生する。よく、女性は地図を読めない、というけれど男性でも、結構いらっしゃる。
最近では、
「このレッスン、今ではだんだんいらなくなってるかも」と外人の先生たちが言う。
「そうだね、Just google itで済むよね」
私自身、以前は京都めぐりは歩く地図」を頼りに歩いたけれど、最近はスマホでgoogle map頼りである。
20年前「歩く地図」を買ったときはこういう時代が来るとは全く思っていなかったのだが。
しかしながら、google mapがあるからと言って、道に迷わないと言う事はないのである。
以前、元同僚の先生と神戸を歩いた時のこと。
素敵なカフェに連れて行ってくれる、というのだが…
彼女のiphoneが「Head east」とつぶやいてくれたにもかかわらず、「先生こちらです」と南に向かって歩いて行こうとする。
「ちょっと、そっちは南よ。いま、head EASTって言わなかった?」
「東はこっちですか!?」
「神戸は南に海があるんだから…」
「そう言われるとそうですね!」
「別にgoogle mapに頼らずとも神戸の場合北は山、南は海!」
こういう場合もあるのだ。
さて、私が地図を読めるかと言うと、はい、全然ダメである。
京都めぐりは20年やっているのに、いまだに三条、四条通が東西、河原町通りが南北、とにかく鴨川は南北!と自分に言い聞かせないとダメ
碁盤の目になった京都の街は、一本間違えるともう東西南北大混乱である。
大阪は、奈良との境の生駒山が見えるほうが東、と分かりやすいが、京都は南以外、全方向山に囲まれているし…。
しかも私は距離感がつかめない。
先日飛ばした洛陽三十三所、第三番、四番のお寺は全く初めての場所、工事に阻まれて行き過ぎるという失敗をしてしまった。
荒神橋から見る京を囲む山々はまさに、山紫水明、という言葉がぴったりだ。
第三番護浄院は清荒神として知られ、ここの准胝観音(じゅんていかんのん)様は女性の守り神だそう。准胝=清浄、の意味もあるそうだ。しかしながら小振りの境内はちょっと散らかった感じあり
住宅街の中の小さなお寺。しかし訪ねやすく親しみやすい雰囲気。
撫子がかわいらしく境内に彩りを添えている。
以前に「あ、私が小説で読んだ歴史上のあの人のゆかりの場所だったか」という所が必ずある、そこが京都の凄い所、と言う事を書いたが、今回はお気に入りのマンガ、「陰陽師」で知っていた、声明が見事だったという美声の高僧、浄蔵の護摩壇があったという場所がここだった。平将門の調伏をしたとも言われている。
さて、ここから南に7,8分歩いて、途中下御霊神社に寄り、またすぐ南、が第四番の革堂行願寺のはず。
なのだが…歩く予定の通りがガス工事中。
じゃ、一本西の寺町通りを南下することに。
この通りはおしゃれな通りとして知られており、可愛いカフェや面白い小物の店などが、老舗の店と隣り合って並んでいる。目移りしながら歩くが、とにかく、5月としては結構暑い日。一休みしよう、と和菓子店のカフェに。葛きりはこんな容器で出てくる。鍵善のと似てる。
さて、ひと落ち着きしてgoogle mapを。
あれ?
このカフェ、2条に近い…行こうと思っていたお寺は、3条より北側に位置していたはず…よっく見ると、相当、南下してきている。
そうね、そうよね…改めて見ると最初のお寺から次の下御霊神社への距離より、下御霊神社から行願寺までの距離の方がずっと短いのに…店眺めながら結構歩いたもんな…
こちらの行願寺は革堂(こうどう)と呼ばれ、狩人出身の行円上人が開基。殺生の恐ろしさを悔いて…と言う事だそう。だから「革」が付くんだ…。名前の謂れは面白いものだ。
人けもなく、ろうそくは私がつけたものだけがぽつんと。
さて、出て周りを見回してみると…
せいぜい2,3分の位置にさっきの下御霊神社があるではないか!塀が見えるのだ。ああ…
まあ、おしゃれな小さな店が沢山あるのを楽しめたからいいのかな。
道に迷うと面意外な白い事があったりするのだ。人生もそうよね、などと言い訳したり、するのである。