たのしい夢日記

京都奈良寺社巡り・思い出・読んだ本…日々のあれこれを写真と共に。

暑いけれど…

2016-08-12 15:29:26 | 現実
風があると体感温度はずいぶん違う。

ここ数日、関西各地では35度以上の気温が当たり前。このあたりは湿気が多い事もあり「酷暑」の二文字は言い得て妙、というものだが、一昨日はかなり風があった。

そうなると湿気もおさまり、幾分過ごしにくさに歯止めがかかる…と言う程度だが、汗の額にそよぐ風は心地よいものだ。


やっと夏休み、次の日の事を気にせずのんびりした気分でJRに乗った。行く先は嵐山。とは言っても、目的は天龍寺と常寂光寺のみ。どちらも秋に行ったことがあるが、ご朱印はもらっていないし、夏の雰囲気はどうだろう?どちらも良い庭園があるし…と決めた。

JR嵯峨駅では予想通りの大人数が降りていく。

この駅から嵐山までの道のりはあまり好きではない。住宅街を抜けて歩く、と言うだけの風情のない10分間で、結構長く感じる。

まずは天龍寺。臨済宗天龍寺派、大本山。なのに、ご朱印スタンプってどうかと思う…これだけの大寺院なら普通、数人ご朱印書いて下さる方がいて、達筆のが頂ける。

「ご朱印どちらでしょう?」
「あちらのお土産屋の所です」…お土産屋…通常なら「あちらの本堂です」等なんだけど。嫌な予感当たった!ただし、300円でなく200円にしてる事で少し納得。ご朱印ビジネスは本意でない、と言う事かもしれないし。と思ってネットで検索したら、天龍寺オリジナルのご朱印帳ならば最初のページに手書きのが頂けるのだとか。
な・る・ほ・ど



秋に行ったときにも思ったがここはとりわけ外人が多い。前回は中国人観光客が6割、と言う風だったが、今回はいわゆる「白人」が多い。英語もだけれど、さまざまな言語がとびかっている。ヨーロッパ系の人が多いのかな。

涼しく風の通る書院でちょっとくつろぐ。



「寝転がり禁止」のお札が。そう、なぜか、外国人って寝転がるんだよね…確かに畳の広々した床で寝転がったら気持ちよいだろうけど、私は板の間を裸足で歩くだけで十分気持ち良い。

庭は暑い!

葵や百日紅、桔梗が色鮮やかで青空に映える。








しかし木々の合間を抜けていくと、もう、私の大好きな秋海棠の花が咲いており、そこにトンボが羽を休めているのだ。もう、秋の気配が。





庭園の北側へ抜けるとすぐ竹林。ここもたくさんの観光客が歩いている。が、昼なお暗い林の中、風が吹きわたって涼しく心地よい。汗が引いていく…のではあるが、実はこの竹林、嵯峨野方面に行くには結構、登り坂なのだ。ゆっくり歩いていると案外気づかないが、日陰で良かったね。










ここから常寂光寺までは数分。小倉池の傍を通る。可愛い小鳥が見られるそうだが、幾分おどろおどろしい雰囲気もある。
4年前に「嵐山花灯路」でライトアップされてる時にも通ったが、ちょっと不気味に感じた。






緑を移す池の表が日陰になっているからか。





常寂光寺は思った通りひと気がない。

石段、周りの苔が、傾きかけた陽に当たって美しい。寂光、という名がついているのに人で溢れかえっていたら残念なところだが、ゆっくり静寂を楽しむことが出来た。

開山の日禛上人は、豊臣秀吉建立の方広寺の千僧供養に出仕しなかった事でここに隠棲した、との事。

本堂は慶長年間に小早川秀秋の助力を得て、伏見桃山城客殿を移築し造営する。とHPに。関ヶ原の戦のキーパーソンか。面白いなあ。







「嵐山花灯路」の時は石段に降り積もった落葉のなかにこんな灯りがつけられ可愛らしかった。





上がりきると嵯峨野が一望に。遠くに比叡山も見える! やっぱりこの辺りって高いのね。空が青いなあ。でも、どことなく秋空の色に近く思える。



おいおい外人!本堂の裏で寝るな!
2人、縁側でぐっすり寝込んでいるのである。この暑さで疲れ切ってるんだろうけどね。


さあ、暑い中日傘をさして駅まで歩くぞ。

しかし、50になる前は、こんな暑さには耐えられなかった気がする。事実、数年前嵐山付近、同じくお盆休みに歩いて、10分で根性なくしてお茶して休んだ、という記憶がある。
年を取ると暑さに鈍くなって危ないとはよく言われることだ。水分補給しつつ。塩飴買えば良かったかな~?

いつも人でごった返していて風情のない「黒木の鳥居」野々宮神社の傍を抜ける。源氏物語の圧巻と言うべきシーンの舞台が今ではこれだからな…紫式部も残念がっているだろう。

庭では白い作務衣の若い男性が何かをたき火で燃やしていた。枯草かな? 真夏の暑い日にオレンジの炎。なかなか、いいものだ。







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真夏の一日・三井寺にて。

2016-08-07 17:55:08 | 現実
8月になった。

フェイスブックの「過去のこの日」によると、去年は仕事で、PLの花火がちょうど終わった後頃に電車に乗り、汗まみれの人たちに囲まれて…と言うような事を書いている。

今年の8月1日は私が汗まみれ、の一日だった。


JR,京阪を乗り継いで滋賀県大津市の天台寺門宗総本山、園城寺へ。通称三井寺である。

ここは私の愛読書、京極夏彦の「鉄鼠の檻」にも「山門派」(延暦寺)との対立の話で出てくるので、以前から行ってみたいとは思っていたのだ。しかし滋賀県?遠いし。

と思ったのだが実は、大津辺りなら一時間半位で行けてしまうのだ。京都市内でもっと時間がかかるところもあるくらいだ。


それにしても、暑い。

残念ながらこのお寺、京阪かJRの駅から歩くのが一番速い(バスは本数がないのだろう)ので、かんかん照りの道路をてくてく。10分位なのだが、もうシャワー浴びたよう、汗だくになって到着。



しかしこの仁王門は良いではないか。




仁王門から金堂への道も。

ずっと遠くで、月曜日の午前にありがち、お掃除をしている方がいる。日曜で人が多い時にはしないだろうからな…。







手水舎にかかっている日本手ぬぐいが面白い。仏様の手、つまり色々なかたちの印がデザインされているのだ。与願印、智拳印…位は判別できるかな。


ご朱印を頂く際に、お土産の中にあったのでつい買ってしまった。いい宣伝だったんでは。




本堂の拝観。

良く大きなお寺にある、年代順に起こった事柄が書いてあるものを見てみると、園城寺金堂(国宝)の歴史が書いてある。 
これは豊臣秀吉北政所の寄進とある。あの寧さまが…真田丸毎週見ているとお馴染みの方である。

北政所にお礼
石田三成にお礼
豊臣秀頼にお礼

等と書かれているのも面白い。

こちらは近江八景のひとつ、「三井の晩鐘」。



そばにお土産屋さんがある。そこで鐘を撞きたい人は申込みするらしい。

「鐘、撞いていいんですか?」
「はい、お金かかるけどね」

低音でめちゃいい声の係の方が言う。

300円。

「どこから来はったの?」
「大阪です」
「この暑いのによう来たね」
「人、いなくていいです」
「うん。年よりもけえへんわ」

だろうなあ。

「女の人なら3回位ぐいっとやっていきおいつけて、4回目でご~んと行ってください。何しろ2トンあるからね」

はい、言われたとおりやってみてばっちり、いい余韻だなあ…。

「日本の残したい音風景百選」に選ばれているそう。

お寺の鐘は自分で撞くより、遠くで聴くほうがよいものだけれど。





こちらは三井寺、の通称の由来になった閼伽井屋。 天智、天武、持統天皇が産湯に使ったという泉がある。

びっくり、ぽこ、ぽこ、と湧いているのが聞こえ、見えるのだ。 

こういう、由緒ある泉はたいがい、岩場に水たまってるようにしか見えないものが多く、ここまで元気に湧き上がっているのは初めて見た。ついつい動画撮ってしまった。


ちょっと上がると、「弁慶の引き摺り鐘」がある。山門との争いで弁慶が比叡山まで引きずって持って行った、との伝説があるようだ。確かに傷だらけの部分がある。





お次は重文の一切経蔵。ライトアップされて大迫力だ。



毛利輝元寄進だそう。回転式八角輪蔵が素晴らしい。

回転させると、それだけで経典全巻を読誦したのと同等の御利益が得られる、という輪蔵、以前清凉寺で回させてもらったのを思い出した。ここのは見るだけ。
重いはいえ手すりみたいのを押してぐるっと回るだけなんだけどね。それでいいんかいな…




さて、灯籠の道を降り、観音堂へ。西国十四番札所だそうだ。




気持ちのよい林の中の道。本当にだれ~も歩いていない。木陰だから、そう暑さがつらいと言うほどでもなく、いい散歩である。こんな場所でポケモンGOなどしてはいけない。
まあ、する気にもなれないが。


なぜかここだけハデな、毘沙門堂。



石段を上がると視界が開ける。

琵琶湖だ!

ずっと近くにいたのだけれど、琵琶湖はかなり山を上がらないと見えないのだ。 ヨットが見えるなあ…。



ここでは私のように一人で来たらしき40代位の女性がご朱印をお願いしている。

私も綺麗な蝋燭あったのでお供えして、ご朱印頂く。




それにしてもこの、清水寺並みに広い敷地で、何人の参拝者がいた? 初めの釈迦堂で般若心経唱えていた70代ほどのご夫婦、本堂で会った仏像好きらしい女性とその連れの男性、今登ってきた石段ですれ違った東南アジア系らしい男女が3人、で、この女性。8人だけ!

観音堂から降りてランチにしたが、その蕎麦屋さんに外人と日本人女性のカップルと家族連れがいたので、午前中の参拝客はせいぜい20人程度か?

夏のお寺詣りはこれがいいとこ。

それにしても蕎麦、まずかったわあ…大好物の夏のざる蕎麦、残そうかと思ったのは初めてかも。「名物蕎麦」って書いてたから期待していったのに。

蕎麦については寺門派の負け。延暦寺で食べたお蕎麦はまあまあ、美味しかったのだ!

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