4月の第一日曜日はたいてい、同居人とお弁当を作って花見に出かけるのが習慣となっている。
今年のその日は朝から大層天気が悪く、雨模様。天気予報では午前はまだ曇りで午後から晴れ、と言う事になっていたが、お目当ての、京都西ノ京の「花の寺」勝持寺に着いた頃にはどんよりとした空。それに寒い!冬!
2年前に来て見事な桜を堪能したので、ぜひ今年はそこでお弁当を楽しみたかったのだが…
「急いで食べないと雨落ちてくるかもね…」
「じゃ、ここで、もう食べようか」
前日の雨で湿っぽくなった草の上に敷物を…敷物を通しても冷たい!
桜は見事だけれど、寒さでお弁当を楽しむ余裕もない位。朝9時では、お昼にピクニック、じゃなく朝ごはんになってしまったし…
食べ終わったら案の定雨が降り出した。
「間に合ったねえ…」
「避難避難」
史上最寒の花見弁当だったので、車に避難してドライブすることに。北へ向かって嵐山へ。
この天気でも物凄い人の群れだ。
観光旅行で来ているなら、多少天気が悪くても仕方ないだろうし…普段ならここまで寒い事はないから、運が悪かった~と言ってる人たちもいるんだろうな。
我々は車で「嵐山・高尾パークウェイ」へ。
どんどん山を登る。
道沿いの桜と赤紫のみつばつつじ、雪柳が花盛り、美しい道。車も全然通っていない。
…と思うと右に池らしきものが。
降りてみると山々に囲まれるように池があり、この静かな山の中でバーベキューの人の賑やかに楽しむ声が響き渡っている。予想外。花見と言うよりジンギスカン、の北海道の花見を思い出した。
帰りは街中を通り、最後に去年も行った、花園の「法金剛院」へ。
朝は西行法師のお寺、勝持寺へ、昼からはその西行法師の憧れの人だったという待賢門院が造らせたというお寺、法金剛院へ。なんだかうまくまとまったような?
ここにきて空は快晴!天気予報に騙された感ありだが、ドライブでお花見と言うのは意外にも初めてだったので、面白い一日だった。
翌週はからりと晴れ上がり暖かい週末、足元から咲く、ので有名な御室仁和寺の「御室桜」を初めて見に行く。予想通りの人出。前週の寒さがうそのような陽気。
今までに仁和寺には2度ばかり来たけれど、なぜかいつも寒い時期なので、こんなに人で溢れているのを見ると違う所へ来たような気がする。
御室桜、足元から咲く背の低い桜は確かに珍しく、桜のトンネルも見事だけれど、お寺の一角に御室桜がぎっしり植えられており、その間に簀子が並べられその上を行列していくので、あまり風情はない。あちこちに咲く桜と建物などのコラボがいいものなんだけれど、ここでは遠くの五重塔との対比のみである。
よって桜と五重塔が撮れる位置は大混雑。
これは一度見たら、もういいなあ。
今年は去年と違い、いろんな桜が堪能できた春だったかな。
デジブック 『京桜いろいろ』