この頃のテレビでは、TPP賛成派と反対派を両方呼んで、お互いの意見を言ってもらってコメントするという場面が多くなったと思う。
今朝もテレビを見ていて、この場面があった。
賛成派の意見としては、「やり方によっては大丈夫だ」といういい方ばかりをしているが、この言い方をしている人たちは、農業の「の」の字も勉強していないでコメントしていると思う。
あくまでも、個人の意見としてだが(断っておかないと、炎上することがあるからな)
経営とは違い、流通とは違い。
農業は仕組みを作り上げただけでは、どうなるものでもない。
なぜなら、売れるからといって、直ぐに増産できないし、1年に何回も作る事が出来ない。
さらに、温暖化が加速している事、後継者が極端に不足している事、価格が不安定である事、コストが下がり切れない事、専業農家では生活できない事などなどがある。
考え方として、「大規模化をすれば良いではないか。そうすればコストが下がる」とも言っていたが、それは膨大な平らな土地があってできる事で、海と山に囲まれている地域では、まず不可能なことである。
もし出来たとしても、水田を大規模に区画整理をすると、最低でも3年間は、まともなお米が作れない。
こんな先が見えないときに、そんな無謀なことは出来ないし、3年間も収入が無いのは、まず無理である。
日本のお米は、どんなに努力しても、どんな対策を取っても、外国産米の価格に合わせることは出来ない。
価格では、全く歯が立たない。
「品質や美味しさで勝てるのでは」とも言っていたが、日本人のうちの、どれだけの人が、日本のお米の良さを理解しているのだろうか。
理解していたとしても、では選んでくれるのだろうか。
スーパーのチラシを見て購入している人たちは、買ってくれるのだろうか。
農業の現実や消費者の現実を理解していれば、賛成派のコメントが、いかに農業の中ではズレているかが判る。