これまた1週間前の話題です。静岡県某所に結婚式の出演に行って来ました。
まあ結婚式にはよく出演させて頂く機会の多い ぬえなのではありましたが…今回は驚きました。なんと古い日本家屋(庄屋屋敷らしい)を移築したその庭先に、本式の能舞台が建てられていたのです。
まあタイトル画像を見てください! もう…非の打ち所がないシチュエーションです。大きな座敷に芝生、そして能舞台。今回は結婚式ですから、ここでガーデンパーティを行ったんです。そのパーティのしつらえが何となく洋式に見えますが、座敷で祝言式を済ませた花嫁さんは、パーティでは色打掛に着替えておられました。こういう和式の結婚式であっても、参列されるゲストの方々はほとんど洋装ですから、ガーデンパーティもまったく違和感はありませんでしたね。そのうえこの時の新郎さんは茶人で、ぬえも感心するような良い品の羽織を着ておられましたよ~。さすがだね~
この舞台…どころか施設そのものが、実際には年間に数えるほどしか使われていないのだそうです。これはもったいないですね…何か催しができないかなあ。
で、こちらが祝言が行われる前の挙式会場の様子。もう~~~!! こんな素晴らしい会場はほかにあるかなあ! ぬえもこの座敷で気持ちよく謡わせて頂き、そのうえ本式の舞台で祝言舞を披露させて頂きました~
このお舞台、じつはこれだけが古いものではなく、現代の新築なのです。そして、とても良く能舞台の構造を調べて建ててあることに感心しました。
いや…本当のことを言うと、地方の、ふとした所に能舞台が建てられていることは、時々発見することがありますね。それは能を上演することが目的なのではなく、庭園に趣を添えるために建てられたのかもしれませんが…そうならば とんでもない贅沢ではありますが…、しかしながら、そういう理由で現代に建てられたのではないか? と思うのには理由があります。
一見、素晴らしい能舞台であっても、細かい部分を見ると…ありゃ、勘違いかな…? という舞台は意外にたくさんあるものなのです。舞台の規格が間違っていたり…これは東京の国立能楽堂でも同じ問題があるのですが…、地謡が座るスペースが極端に狭かったり、舞台はよく出来ているのに床の表面にニスが塗られていたり…ひどい場合は能の実演はできない、という舞台さえあります。能舞台の建築に手慣れた建築家は少ないでしょうし、そんな問題もあって、見よう見まねで建ててしまうのかなあ。これまた もったいない話ではありますね。
ところがこのお舞台は、舞台についてよく勉強している方が建てたのだな、ということが一見してわかります。舞台の床板もよく滑り、さりとて滑り過ぎず。ちょうど良い具合でした。ん~~ますますもったいない!
気候も良い時期に、素晴らしいお舞台で結婚式のお手伝いができて、ぬえは幸せでした~
※今回の挙式は八千代ウェディングのプロデュースによりました。お問い合わせはこちらからどうぞ~