ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

で、子ども能の稽古。と新年会~

2013-01-13 00:53:42 | 能楽
「どんど焼き」、中伊豆。。つまり修善寺のある伊豆市の方ではもっと大掛かりなんですって。また伊豆の国市でも子供会が主体となるどんど焼きの櫓の組み立ては地区の子どもたちの事情によって大きく左右されるらしい。ぬえがお手伝いさせて頂いた江間の珍野区では子どもは少なくて、櫓の規模もそれなりなのだそうです。逆に早朝に ぬえが遭遇した寺家区では子どもは80人もいて、役員のご家庭の子どもたちだけ(と大人のみなさん)で櫓の組み立ては完了してしまうそう。地区によっては子どもたちが少なくて大人だけで組み立てることもあるのだそう。伊豆では「よそ者」の ぬえが今回参加させて頂けたのも、こぢんまりした地区のアットホームな雰囲気があったからこそでしょうね。地区によっては中心となる心柱?を組むのは地区の中心人物だったりするほど大切な仕事なのだそうですから。。

明日。。もう今日か。朝6時頃に一斉に点火される「どんど焼き」。ぬえがお手伝いさせて頂いた地区の櫓が燃え上がるところは たけちゃんのママが写メ送ってくださるそうです!

さて午後からは子ども能の新年最初の稽古でした。2月の「おおひと梅まつり」での公演に向けてそろそろスパートをかける時期です。わけても今回から大小鼓を子どもたちに打たせる事になりまして、専門の囃子方能楽師にお願いしている稽古はまだ先になってしまいますが、とりあえず ぬえが下稽古。郷土芸能の「シャギリ」の影響もあるのかなあ、まずまず音も出るのです。みんな、かっこいいし。













「梅まつり」公演では年の締めくくりとして学年の上下は無関係に誰でも希望の役に挑戦してよいことにしていますが、ああ、さすがにちょいどグダグダ。。なところも。それでもみんながんばって、ようやく人前に出せるレベルにまで漕ぎつけたと思います。思い出すなあ。去年の同じ催しで「主役やりたい人?」と ぬえが聞いたら「はい!」って手を挙げた当時1年生の たけちゃん。。いや、そこまで低学年が手を挙げるとは想定していませんでした。。それでも主役に決まっちゃって、稽古の結果。。は「まあ、こんなものか。これなら人前に出せるか」という程度まで上達。ところが! 公演当日は目にも鮮やかな演技で ぬえはビックリ! 。。あれからだなあ、子どもたちの可能性って果てしがない事に、今さらながら思い至ったのは。いま子ども創作能は ぬえはどんどんハードルを上げています。それでもみんなついてくる。「じゃ、これできる?」「。。そうか、できるのか。。それじゃこれは?」。。もう今年の夏で14年目になるのかな? こうした積み重ねによる力は、よそのどこでも真似できないレベルに到達しています。みんな、稽古で苦しむ事もあるけれど、勝ち取った栄誉も知っている。目標があるのは幸せな事ですよね。

伊豆では ぬえに「私、将来は能楽師になりたい」と言ってきた子もあれば、学校の夏休みの宿題で職業調査が課題になり、ぬえに能楽師の仕事についてインタビューした子もあります。私立中学の卒論(!)で能をテーマに選んだ子が今の ぬえが最も関心を向けている子かな。ぬえにとっても幸せな時間が、ここにはあります。

さて稽古のあとは新年会~。先日丹波篠山で買ってきた激うま「山椒おかき」3袋は、今日の伊豆で初詣に訪れた願成就院さまやお世話になっている旅館「ゑびすや」さんにお土産に渡してしまって残り1袋になりました。。





たけちゃんからは農業を営むじいじからの差し入れでイチゴがどっさり! あとお菓子やジュースで楽しみましたとさ。めでたしめでたし。(#^.^#)