見習い百姓のつぶやき

宮仕えも一段落、半農半Ⅹを本格化。農的暮らしとさまざまなⅩを悩んで、楽しんで一歩づつ。

人が育つことでその地域が育つ~竹内先生の講演会

2015-09-06 20:18:12 | 本や図書館

 そうだよなあ、公共図書館も学校教育、わけて学校図書館活用教育も「人の自立」を支援することこそが、最も求められるんだよなあ。

 01年から05年まで、日本図書館協会理事長を務められた竹内サトル先生の講演会が本の学校で開催されました。88歳とのことですが、矍鑠たるものですし、話が深い。
 演題は「図書館のめざすもの~としょかんがつくるひと・地域・未来~」。
 先生の講演で一番心に響いたのは、米子出身の宇沢弘文先生とインドの図書館学の父と呼ばれ、「図書館学の五法則」を著した世界的に著名な学者ランガナタンとの共通点。


自ら考える力と方法を養う
 お二人は、共に数学者なんですね。そして、一人一人の学生を対象にした授業実践をした。
 宇沢先生の授業は「日本の教育を考える」に詳しいようですが、学生一人一人はそれぞれ違った蓄積を持ち、問題意識も多様だから、こうした教え方でないと効果的ではないと。
 ランガナタンは、学生の数学に対する関心と能力差が大きく、同じ教科書を使っていては何の効果もないことがわかり、能力に応じた教科書で学習させた。

 竹内先生の恩師でもあるルイス・ショアーズは「ライブラリー・カレッジ構想」で、学生の自主的な学びの意欲を育てて、「自ら考える力と方法を養う」ことを目的とした手法を提唱。
 レファレンス・ライブラリアンが自主的な学びをサポートし、学生は知識と情報の世界に入り、自分の考えを育てる。
 1970年代には米国の400の大学が何らかの形でこの考えを取り入れたと。

人が育つことでその地域が育つ
 これらの事例は、教育は何を目指すのかということをよく表しているのではないかと思います。
 竹内先生は、教え込むことが中心になりつつあるのではないかと危惧している。「育」とは待つこと。集団学習と「ひとり」。それぞれの長所を本人が融合させる、ことだと。
 さてさて、全国学力テストの結果を受け、教育委員会も学校現場も親も、待つことができるのか?教委と学校は一人をしっかり見ながら支援できるのか?

 人が育つことでその地域が育つ。当たり前なことが当たり前に取り組めるのか?
 G20でも未来への確かな展望が開けない時代にあって、教育現場も図書館も、そんなことが求められているのではないでしょうか。
 ランガナタンの「図書館学の五法則」はどのように昇華されていくのでしょうか。

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読めること、調べることは未来の学力

2015-09-06 09:55:30 | 本や図書館

 全国学力テストの結果、島根の子供たちの学力は過去最低だったと新聞で報道された時、教師って変われないんだよなあと書きました。
 松江市議会の野々内議員のお世話で帝京大学の鎌田先生の講演会が開かれ、聴講させていただきました。鎌田先生は、「教師には変われない事情がある。毎回が本番だから確実性の高い授業を選択する」と。図書館を活用した教育、経験がないんですよね。


全国学力調査は都市中心の学力を重視?

 ニューヨーク州立大学教授のキャシー・デビットソンは、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と言ったそうですが、同じような研究は他にもあるようです。
 こういう変化の激しい時代、しかも、リスクがさらに大きくなる社会。
 こんな時代だからこそ、一斉型授業で取り組む知識よりも、問題意識醸成力や問題解決能力が必要。ちなみに、微分積分を使ったことがある?って。

 もちろん、知識として知っておく、専門知識を学ぶ前提として必要性はあるにしても、日常使う基本的スキルの上に問題解決力やコミュニケーションスキルが必要ではないのか。
 全国学力調査は、都市志向、都市中心の学力を重視していないか?地域はどんな子供を育てたいのか、この地域の未来につながっているのかという視点が必要なのでは?

読めること、調べることは未来の学力

 学校図書館活用教育は、問題意識醸成力と問題解決能力の育成を図ることができる。
 読めること、調べることは未来の学力。
 図書館はインフラだが、インフラ整備が進んでいるのか?松江市は相当お寒い現状。
 資料購入費は昨年度の半額。昨年度の額は、全国平均の半分。ということは1/4(><)

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