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わたしは、どうも我田引水をしてしまいます。世界肯定をしてしまいます。安らぎたいんですね、早く。お釈迦様の教えがそんなに短兵急ではないはずなのに、急いでしまいます。「生滅が滅し已む」ときが来るというのは、嬉しい報せなんです、キリスト教の福音のように聞こえます。
生滅は互いに反作用し合います。生じようとすれば、滅の力が割り込んで来ます。滅しようとすれば生の力が擡頭してきます。意のままにはならないのです。唯一の解決法はそのどちらの勢力も消えてなくなることです。その解決法が死と同時に与えられます。これは嬉しいことです。安らげることです。