BROMPTONの10段化の効果を試したいなぁと、走りに行くところを探していたら、良いところを見つけました。
日本一の急斜度の国道、暗峠です。
大阪と奈良の県境にある暗峠を越える国道308号線が、日本一の急斜度の国道だそうです。
日本一高い国道の渋峠、自転車で登れる日本一高いところ畳平と、最近は日本一の挑戦が続いています。
暗峠は、高校生の時にクラスメートが原付で登れなかったというので、僕は通学に使っていた10段変速のランドナータイプのサイクリング車で、足を着かずに登り切ってやると挑戦しました。
しかし、あまりの激坂に足を着いてしまって挫折。
近所の自転車屋に相談して、フロント、リア共に34Tのギア、変速比1対1に改造してもらって再度挑戦。
見事に足つきなしで完登しました。
あれから40年、還暦間近の僕は、どこまで登れるでしょうか。
連日、猛暑が続いているので、気温が低いうちにと朝早くに家を出発して、国道308号線を目指しました。
10段化のお陰でトップは程よいギア比で走ることができ、少し重いと感じたら外装2速をロー側に変速すると、スムーズにギア比を落とせて軽快に走ることができます。
国道308号線に到着、いよいよ暗峠を目指します。
時刻は6時3分、暗峠まで2.4km、何分で登ることができるでしょうか。
国道308号線に入ると、いきなりの激坂です。
一番変速比が低いギアでも、ペダルが重たくて踏み込むのに一苦労です。
300mも行かないうちに、足を着いてしまいました。
40年前の自分があざ笑っているようです。
再スタートを試みましたが、坂がきつくてスタートを切ることができません。
せっかく10段変速に改造したのに、暗峠の坂には歯が立ちません。
挑戦する相手を間違えました。
仕方なく、BROMPTONを押し上げる羽目になりました。
高校生の時の自転車の変速比は1.0、BROMPTONは1.29なので仕方がないかと思ったのですが、
高校生の時の自転車は27インチ、BROMPTONは16インチ、
タイヤの直径を勘案すると、BROMPTONは0.76になります。
BROMPTONの方がペダルが軽いのか・・・
やっぱり、サッカー部で鍛えていた当時の脚力にはかなわないようです。
国道308号線は、BROMPTONを押し上げるだけでも一苦労です。
気温は26℃ですが、汗がしたたり落ちてきます。
一休みしようにも、蚊や虻が集まってきて、ゆっくり休むこともできません。
振り切ろうにも、BROMPTONを押している速度ではどうすることもできません。
群がる蚊、虻に閉口しながら、BROMPTONを押し上げていきました。
暗峠まで後2kmの道標がありました。
まだ400mしか進んでいないのか・・・
生駒山上に登る登山道があります。
二十歳のころにTLM50というトライアルバイクで、ここから生駒山上まで登りました。
40年近く前の話なので、登山者も頑張ってと応援してくれましたが、今なら不法走行で捕まるところです。
気温が25度に、標高が上がったので気温が少し下がりました。
でも暑さは変わりません。
蚊と虻がまとわりつくのも変わりません。
坂道は相変わらずきつく、折れそうになる心をなだめ、BROMPTONにもたれるように体を預けながら、押し上げていきます。
スリップ痕のあるコーナーです。
ここが一番きつい斜度37%のところでしょうか。
スタンドを立てたBROMPTONがずり落ちていきます。
なんとかBROMPTONが止まったところで急いでシャッターを切りました。
暗峠まであと800メートル。
ようやく1kmを切りました。
この看板を過ぎてすぐに斜度が緩くなり、BROMPTONを漕ぐことができました。
弘法の水です。
昔はここの湧水をがぶ飲みしたのですが、今は水質が悪化したのか、飲用禁止です。
ブロンプトンを漕げたのもつかの間、また激坂が現れました。
また、BROMPTONを押し上がります。
見慣れた国道の標識がありました。
本当に国道なのか?・・・
石畳が見えてきました。
暗峠はもうすぐです。
ガタガタと石畳の上を走ると、奈良県との県境が見えました。
奈良は何度も走っているので今更ですが、BROMPTON、奈良県に突入、41個目の都道府県です。
県境のすぐ後ろに暗峠の碑があります。
暗峠に到着
1時間8分も掛かりました。
高校生の時は何分で登ったのかな?
高校生のころの僕は、まさか40年後に暗峠を登っているとは思ってもいないでしょうね。
なんせ、当時の親父より年を食っているのですから。
このまま奈良側に下っていくと、大阪に帰るのに坂を登らなくてはけないので、ここから引き返すことにします。
下りは颯爽にと言いたいところですが、
下り坂も限度を超すと危険でしかありません。
前転しそうなのでサドルを低くして重心を下げ、ブレーキを握りしめながら下っていきます。
ブレーキワイヤが切れたら死ぬな、と恐怖を感じながら。
ブレーキを握る手が痺れてきます。
リムも焼けてブレーキが効かなくなってきます。
何度か休憩をとり、無事に国道308号線を下ることができました。
往復にかかった時間は1時間43分。
平均速度はなんと2.9km/h。
歩くよりも遅い、というか登りは8割がたBROMPTONを押していましたから。
国道308号線、真に酷道です。
BROMPTONの10段化の効果、試せませんでした・・・
GPSのデータです。
獲得標高は515mですが、渋峠や畳平を登るよりもしんどかった。
BROMPTONに外装2段を追加した際、ベルの付ける場所が無くなってステム付近に着けたのですが、いざ鳴らすときに手を離さないといけません。
何とかならないかなあとインターネットで探したら、良いベルを見つけました。
ハンドルバーに沿った形で、ほとんどでっぱりのないベルです。
グリップとシフトレバーの間に取り付けてみると、綺麗に収まりました。
そうそう鳴らすものではないですが、いざというときにすぐに鳴らせるようになって満足です。