「シャインマスカット」
■シャインマスカットとは?
◆「安芸津21号」×「白南」
シャインマスカットは独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(旧 農林水産省果樹試験場)が「安芸津21号」に「白南」を交配し育成した皮ごと食べられる黄緑色のブドウ品種で、2006(平成18)年に品種登録されています。
ブドウは大きく分けると皮が薄く、肉質が崩壊性(噛み切りやすい)でマスカット香を持つものが多いヨーロッパ系と、皮が厚く日本の気候でも栽培しやすく、塊性(噛みきりにくい)の肉質でフォクシー香を持つものが多いアメリカ系があります。
「シャインマスカット」はアメリカ系同士の交配で生まれた「スチューベン」とヨーロッパ系の代表種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を交配することで生まれた「ブドウ安芸津21号」を母とし、ヨーロッパ系の「カッタクルガン」に、ヨーロッパ系同士の組み合わせで生まれた「甲斐路」を交配して生まれた「白南」を交配することで誕生した、いわばヨーロッパ系とアメリカ系のハイブリットとなります。
●シャインマスカットの特徴
シャインマスカットは果粒が大きく、楕円形で、果皮の色は黄緑色で厚みは薄く、果肉と密着しているため手で剥くことは難しいです。しかし、薄いため皮ごと果肉と一緒に食べることができるというのが大きな特徴の一つです。
果肉はヨーロッパ系ブドウの血を受け継ぎ崩壊性でマスカットの香りがあり、糖度も高く甘いブドウです。
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」ほど栽培は難しくなく、その分価格も手頃で、コストパフォーマンスが非常に高いブドウといえます。
一般的には皮ごと食べられるという特徴を最大限に生かすため、ジベレリン処理等により種無しにされていますが、中にはそうした処理をせず、本来の種有のままで作る生産者もいます。
●農林水産省 登録品種データベースより
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
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果房の形は有岐円筒、大きさは極大、長さは長、着粒の粗密は中、果梗の太さは太、長さは短、色は黄緑である。
果粒の形は短楕円、大きさは大、
果皮の色は黄緑又は黄白、果粉の多少、果皮の厚さ及び果皮と果肉の分離性は中、
果肉の色は不着色、肉質は崩壊性、甘味は高、酸味は少、渋味は無~極少、香気はマスカット、果汁の多少は多、
種子の数及び形は中、大きさは大である。
発芽期は中、開花期は晩、成熟期は早で育成地においては8月中旬である。
果実の着色の難易は着色しない、花振いの多少は中、無核果粒の混入及び裂果の多少は無~極少、果梗の強さは強、果梗と果粒の分離は中である。
「白南」と比較して、成葉上裂刻の深さが浅いこと、成熟期が早いこと等で、「ネオマスカット」と比較して、果粒が大きいこと、果肉の肉質が崩壊性であること等で区別性が認められる。
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■シャインマスカットの主な産地と旬
●全国のシャインマスカット栽培面積ランキング
政府がまとめた平成27年の全国のシャインマスカット栽培面積です。生産量ではありませんが、最も栽培面積が広いのは山梨県で、次いで長野県、岡山県、山形県となっています。
平成22年から27年までの5年間でシャインマスカットの全国の栽培面積は4倍近くに広がっています。また、一部を除きほとんどの都道府県で栽培されています。
●シャインマスカットの露地ものは8月中旬ごろから
シャインマスカットのハウスものは早いものだと6月下旬ごろから収穫が始まります。7月中旬ごろにはハウスものの出盛り期に入り、8月中旬ごろから露地ものが出回ります。収穫は場所にも寄りますが10月の初旬あたりまで。
シャインマスカットが手頃な価格で店頭にたくさん並ぶ食べ頃の旬は8月から9月下旬ごろになります。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/budou-ShineM.htm より