「鉱都 栃木県佐野市葛生」
あまり一般的に知られてはいないが・・・
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 芸術専攻 鵜沢研究室の片山 豪氏の作品の中に記載がある。
『私の生まれ故郷には2つの「声」がある。
1つは「悲鳴」。そう比喩しても過言ではないくらい、私の故郷は衰退の一途を辿っている。もう1つは「ダイナマイト音」。この街には石灰工場という大きな存在がある。しかし、時代の変遷により工場は衰退、それに伴い、街は縮小。鉱産業の明日が見えない今こそ、もう一度、そのあり方を考えるべきだ。そこで、鉱産業を抱える都市、つまりは「鉱都」を研究し、再活性化を目的とした鉱都の再構築を提案する。
舞台は「栃木県佐野市葛生」。この街の代名詞として存在する「石灰工場」と、石灰工場があるが故にできた「廃線」を計画対象とし、この2か所に「宿泊学習」という教育プログラムを纏わせる。歴史性や空間体験に溢れる石灰工場を「社会を学ぶ学校」として、かつて街の背骨としてあった廃線を「生活を学ぶ宿泊施設」として街に解放することで、子供たちは学び、同時に、元気な姿が街に熱量を与えてくれるのではないかと考えた。
結びとして、今回は葛生をベースに研究したが、他の鉱都も同様に展開されることで、また異なった鉱都の風景が創出されるのだろう。それほどまでに、多種多様なポテンシャルに溢れていた。
鉱都が「声」高らかに、自らの姿を誇れる日が来ると私は確信している。』
*https://www.jia-kanto.org/shushiten/2014/data/18/index.html より
「鉱都」の定義は定かではないが、「鉱山のまち」という広義で捉えれば「石灰岩」も鉱物のひとつ。
その自治体が名乗っていなくても、住んでいた・生まれた「まち」がその人にとってそう思えば「鉱都」となるのかも?