「ソースカツ丼」
福井名物「ソースカツ丼」とは?
ソースカツ丼とは、福井県のご当地グルメで、薄くスライスされた豚肉をきめ細かいパン粉でカラッと揚げ、熱々のうちにソースに絡めたカツをご飯にのせた料理です。
福井県の老舗洋食店「ヨーロッパ軒」が発祥で、カツ丼と言えば玉子とじのものが一般的にイメージされる中で、福井(市)では家庭でも飲食店でもソースカツが一般的です。
多くの定食屋のメニューから、スーパーの総菜コーナーにもソースカツが並ぶほど、お馴染みのメニューとして県民に親しまれているソウルフードです。
材料も作り方も見た目もシンプルですが、その味わいはさっぱりと奥深く、今では越前おろしそばと並ぶ福井のグルメのツートップとして君臨しています。
始まりは1軒の洋食店のドイツ仕込みのウスターソースから
ソースカツ丼の歴史が始まったのは大正時代のことです。現在も老舗洋食店として営業を続ける『ヨーロッパ軒』の初代、高畠増太郎さんが考案しました。
高畠さんがドイツでの数年間の料理修行を終え、帰国したのが明治45年のこと。ドイツ仕込みのウスターソースを日本人に合うようにと創意工夫し、翌大正2年に東京で開催された料理発表会で初披露されたのがソースカツ丼でした。その後、高畠さんが福井へ帰省し、その味が現在までしっかりと受け継がれています。
味の決め手となるのは、ドイツ仕込みのウスターソースです。その味は甘みと酸味が絶妙なバランスで、薄くスライスされたトンカツにもしっとり染み込み、ほんのり甘い豚肉との相性も抜群です。もちろん、ソースとご飯との相性も言わずもがな。
トンカツも特徴的です。一般的にトンカツと言えば分厚さが称賛されがちですが、福井のソースカツは薄くて柔らかく、箸でも切れるほど。その薄さの中に豚肉の甘さとソースがしっかり染み込んでいます。ヨーロッパ軒のカツ丼は丼ぶりの蓋からはみ出るほどのボリューム。数枚あるカツは、丼ぶりの蓋の上に1~2枚待機させながら食べるのが福井市民流です。
ソースカツ丼は県内のヨーロッパ軒はもちろんのこと、さまざまな飲食店に広がっていきました。
カツ丼をオーダーすると、「運ばれてくるのはソースカツ丼」が福井の当たり前
県内の飲食店ではソースカツ丼は必須のベーシックメニューで、福井では「カツ丼」といったらソースカツ丼が出てくるのが当たり前。
逆に、福井県民は県外でカツ丼を注文して、「玉子とじのカツ丼」が出てきてビックリするのが通過儀礼です。
大人になって初めて玉子とじのカツ丼を食べるといったことも普通にあるくらいなので、福井で玉子とじカツ丼を希望する場合は、「上カツ丼」や「玉子カツ丼」と注文してくださいね。
ソースカツ丼は専門店、蕎麦屋などの飲食店のメニューに当たり前のように並び、スーパーやお弁当店などでも販売され、福井中のどこでも食べることができると言っても過言ではありません。
さらに、ソースカツ丼用のソースやカツの冷凍商品まであり、ご自宅でも福井のソースカツ丼を味わっていただけます。
ソースカツ丼を食べられるお店
ヨーロッパ軒総本店 福井県福井市順化1-7-4 など
何度も福井には行ってるけどなかなか立ち寄れなかった。
2年ほど前にようやく行けたが、予想通り長蛇の列。近くからテイクアウトで注文。
帰りのサンダーバードの中で堪能した。シンプルだがとても美味しかった。また食べたいね。