いいもの見ぃ~つけた!

「いいもの」は探せばいっぱいあります。独断と偏見による個人的「いいもの」情報発信所です。

<おせち> 山梨 煮貝-あわびの煮貝

2024-01-01 07:11:21 | おせち

 「あわびの煮貝」

 主な伝承地域 甲府市

 主な使用食材 アワビの煮貝

 歴史・由来・関連行事
 「あわびの煮貝」とは山梨県の名産品であるが、四方八方を山に囲まれ海に面していない内陸の地において、なぜ海の幸のアワビが名産となったのか理由は諸説ある。その一つとして、隣国の駿河湾(静岡県)でとれる豊富な魚介類を、現代のようにな交通手段も冷蔵設備もない状態でいくつもの山を越えて運ぶことは容易ではなく、わずかに塩漬けや干物程度が届く程度だった。江戸時代、駿河湾でとれた新鮮なアワビを加工し、醤油漬けにして木の樽に詰めて運んだところ、道中、馬の体温で温められながら何日もほどよく揺られ、甲府に着く頃には醤油がよく染み込みひときわ味が増したアワビが甲州名物になったという。また、武田信玄がアワビの栄養価に注目し、陣中食として考案したという説もある。煮アワビは、生と比べてグルタミン酸やアスパラギン酸が増加して旨味が増すことから、これが内陸地域の名産品として定着した理由でもあろう。

 食習の機会や時季
 現在では贈答用に重宝されている。

 飲食方法
 煮貝は薄くスライスし、肝も小さめの一口大に切り、しそや薄切りにしたきゅうりなどと盛り付けて食す。肝をすり潰し、マヨネーズと和えたソースをのせても良い。また、レモン汁をかけたり、カルパッチョやサラダなども紹介されている。どのように料理しても煮貝の旨味が生かされ、ワインやビール、日本酒などとも相性が良いとされている。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目としてしぼられた「特選やまなしの食」に選定されている。県内で製造、販売をおこなう食品業者が多くあり、店舗だけでなく通販もされている。身がしっかりと大きさのあるものから、お手頃で小さめなもの、また煮わた部分を加工したものなどいろいろと通販されている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/awabino_nigai_yama_nashi.html より

 

 海のない山梨でなぜ鮑が特産品に?
 昔から「名物にうまいもんなし」といわれますが、甲州の煮貝だけは別物で、一度これを口にするとその舌触りと風味は忘れがたい物となるのがこの「煮貝」です。

 通称「にがい」と呼ばれますが、一口に言うと、あわびを醤油で煮た物ですから「煮あわび」と呼ぶのが本当です。

 煮貝の由来
 その由来を調べてみれば、今から400年ほど前。

 現代のような交通手段も冷蔵設備もない時代には、幾多の山谷を越えねば到達できない甲斐の国に、新鮮な海の幸を運ぶ事は容易ではありませんでした。

 当時、大海原を持つ隣国の駿河(静岡県)で採れる新鮮な魚介類のうち、甲州に運ばれる物はわずかであり、そのほとんどは塩漬や干物でしたので、甲州の人々は豪華なあわびなど到底口にする事はできませんでした。

 馬の背に揺られて
 そこで、何とかこのあわびを生の味を生かした方法で甲州の人々に食べさせたいと、私どもの6代目と産地・伊豆下流の網元の人々で加工研究のうえ、煮貝の製法を完成し、江戸末期の頃から甲府に入ったと伝えられています。

 浜で採れたあわびを醤油樽に詰め、馬の背に乗せて運んだところ、ゴットン、ゴットンと程よく揺られながら馬の体温で温められて、甲府に着く頃には醤油がよく染み、素材の味に旨味が加わり程よい味加減になったところから甲州名物になったと言われています。

 昔ながらの味わいを
 海のない山梨県の名物に「あわびの煮貝」があるということで、TVや雑誌、さまざまなメディアに取り上げていただきました。

 これからも老舗として、国産のあわびにこだわり、昔ながらの手作りの製法で伝統に沿った味作りを追求していきたいと思います。

 煮貝の美味しさの秘密
 煮貝のうまみを科学的に分析しました
 平成20年に行われた山梨県主催の企画展「甲州食べ物紀行」の出展に際し、山梨県立博物館が当店で販売されている「あわびの煮貝」の調査を行いました。

 生の貝に比べてどのようなうまみ成分の変化が起きているのかを調べるため「味の素 ライフサイエンス研究所」に依頼し、アミノ酸の成分分析を調査した結果が以下のグラフです。

煮貝のアミノ酸分析結果

 煮貝では同じ重量あたりのアミノ酸が増加しているのがわかります。特に旨味の元であるグルタミン酸、アスパラギン酸が増加しており、醤油ベースのたれで煮込むことで、旨味が追加されるとともに、旨味の質も変化していることが明らかになりました。
 乾うば貝のアミノ酸分析結果
 煮あわびほど有名ではありませんが、甲州で食される特徴的な貝加工品に北の海で採れるウバガイ(ホッキ貝)を乾燥させた乾うば貝があります。

乾うば貝のアミノ酸分析結果

 つまみや乳幼児の歯固めに用いられる地域色の強い食物で、上記のグラフからも乾燥させることで旨味が濃縮されていることがわかります。

 単なる保存加工ではなく、手を加えることによって新たな旨味を引き出す。二つの名物からは山国における海産物利用の知恵が浮かび上がりました。

 生でも美味しく頂ける鮑とほっき貝ですが、さらに旨味成分の増した山梨伝統の味。みな与の煮貝と乾うば貝をぜひ一度ご賞味ください。

*https://minayo.co.jp/history.html より

1584年

 天正12年創業
 山梨・甲州の生活の知恵から生まれた海の珍味・煮鮑(通称・にがい)は、みな与で誕生しました。

 輸入あわびが多く出回っている現在でも、みな与では肉厚の国産近海物黒あわびにこだわり、創業以来一貫して伝来の手造り製法を守り続けています。
 その味は食べ比べてみれば明瞭で、みな与ならではの風味と歯ごたえは食の通人は言うまでもなく、お子様からお年寄りまでご愛顧頂いております。

*https://minayo.co.jp/shop.html より

 

 「みな与」が元祖だとか。

 ただ、元祖以外にもいくつも煮貝は販売されています。

 以前も書きましたが、私が以前お世話になった「かいや」さんもその一つ。

オーストラリアの雄大な海で獲れた天然のあわびを、かいや独自の製法にてじっくりと丹精込めて煮上げた、甲州名産「あわびの煮貝」です。
高級感あふれる木箱に詰めました。
肝を外しておりますので、肝が苦手な方でも美味しくお召し上がり頂けます。
身を薄くスライスしてお召し上がりください。
余った調味液は煮物のだしやうどん、そうめん等のつゆとして、炊き込みご飯や浅漬けの素としてもご利用頂けます。スライスした野菜を1~2日漬けるだけで美味しい浅漬けになります。

*国産のあわびではありませんが、とってもおいしい煮貝はいかが?


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イッピンNHK 「名匠への道 ... | トップ | < 郷土料理 > 岩手 すき... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

おせち」カテゴリの最新記事