「九年母-くねんぼ」
【生産地】喜界島
【特徴】ミカン科の常緑小高木。幹(みき)は高さ3~5mになり、蜜柑(みかん)に似てやや大きく、長さ10㎝ほどの楕円形(だえんけい)の葉を互生(ごせい)する。初夏、枝先に芳香のある白色の五弁(ごべん)の花を開く。果実は径6㎝程の球形で、秋に熟して橙色(だいだいいろ)になる。表皮は厚く種子が多いが、甘味があり生食される。
【食味】異国情緒たっぷりな香りと上品で濃厚な味
【料理】生食、加工品など
【来歴】原産地はインドシナ半島で、16世紀の室町時代後半に中国、琉球を経由して日本に渡来したとされる。古名は「阿部橘(あべたちばな)」であり、『万葉集』に「我妹子(わぎもと)に逢(あ)はず久(ひさ)しも うましもの安倍橘(あべたちばな)の苔(こけ)生(む)すまでに 作者不詳巻17-2750」とあるが、この2つの説は時代が合致しない。 また、和名の「阿部橘」の由来も不明である。漢名は「橘(たちばな)」。柚子を意味する「香橙(こうとう)」は誤用。他に、「香橘(こうきつ)」、「くねぶ」、「くねんぶ」、「くねぼ」とも呼ばれる。江戸時代に紀州蜜柑(きしゅうみかん)が登場するまでは、「九年母」が蜜柑の主流品種であり、宮廷の貴族や公家などが食し、平塚市などでは江戸時代に将軍家へ献上もされていたようである。
【時期】 -
*https://tradveggie.or.jp/vegetableposts/46-kagoshima#index_LUQEKCdH より
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