「酒まんじゅう-さかまんじゅう」
主な伝承地域 相模原市
主な使用食材 小麦粉、酒種、あん
歴史・由来・関連行事
米・麹から作った酒種と小麦粉を混ぜた生地で、あんを包んで蒸しあげたまんじゅう。
相模原は火山灰が多く稲作に向かない土地であったため、古くから小麦や大麦などの畑作がさかんで、地粉を使用したさまざまな食べ物が親しまれてきた。そのなかでも酒まんじゅうは、祭りや人寄せの際に必ず食卓に上がるごちそうだった。「酒まんじゅうが作れることが嫁入りの条件」とされた時代もあったという。生地を発酵させるには暑い時期が最適であるため、特に7、8月に行われる祭礼には欠かせない儀礼食で、各家庭で大量に作って家族で楽しんだり、親族に配ったりされた。
食習の機会や時季
現在は家庭で手作りされることは少なくなったが、市中の菓子店や農産物直売所などで一年を通して販売され、地域の名産として根強い人気がある。店舗によって、昔ながらの製法で作ったり、地元産の材料にこだわったりと特色がある。
飲食方法
伝統的な製法では、白飯に水と麹を加えた酒種(まんじゅう酒)を使って生地を発酵させる。その生地で小豆あんを包み込み、丸めて蒸しあげる。また、具材に小豆あんではなく味噌あんなどを用いる場合もある。
伝統的な作り方は出来上がるまでに数日かかるため、地元の食生活改善推進団体ではベーキングパウダーと日本酒を利用し、家庭で簡単に作れるように工夫したレシピの紹介も進めている。なお、伝統製法のものを「さかまんじゅう」と呼ぶのに対し、酒種を使わない製法のものは「さけまんじゅう」と呼び、区別されている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
市中では作り方教室や、地元商工会による酒まんじゅうの製造体験バスツアーなど、酒まんじゅうを郷土料理として受け継いでいくための取組みが行われている。
また、2019年に行われた、消費者の投票による「さがみはらスイーツフェスティバル 第3回推し土産スイーツ総選挙」では、和菓子店「志美津屋」の酒まんじゅうが9品の「推しスイーツ」のひとつに選ばれた。
地元の食生活改善推進団体では、郷土料理のレシピ集に、酒(さけ)まんじゅうの作り方とともに昔ながらの酒(さか)まんじゅうの情報も掲載し、普及に努めている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_7_kanagawa.html より
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