KuraMaster 2021年度 美山錦部門 プラチナ賞 4/4 「富士錦 純米吟醸」
精米歩合(%) 55 %
酒のタイプ その他、5年未満の古酒を含む
アルコール度数 15.5 %
日本酒度 ±0
米の品種1 Miyamanishiki 100%
富士錦酒造株式会社 静岡県富士宮市上柚野 532
富士錦酒造のラインナップ
「富士錦」吟醸・純米吟醸・特別純米ほまれふじ・寒造り など
旧・芝川町の柚野の里で醸す清らかな酒
富士山の恵みを活かす酒造りに取り組む
作家・司馬遼太郎は、著書『この国のかたち』のなかで、「古来谷こそ日本人にとってめでたい土地」と書いています。農耕に適した谷間の土地には必ず集落があり、青々とした田んぼが広がり、秋になれば豊かな実りをもたらしてくれる。そんな日本の原風景が広がる谷間の土地を、芽出度い土地と評したのでしょう。『富士錦』を銘柄とする富士錦酒造は、創業元禄年間、富士山を望む美しい谷間に広がる集落「柚野(ゆの)」で、豊かな自然の恩恵を活かしながら、酒造りに励んでいます。蔵の裏手の田んぼは富士錦酒造所有のもので、酒造りのない夏の間、富士錦酒造の社員さんたちが、静岡県産オリジナル酒米『誉富士』を栽培しています。「地酒は地の酒ですからね、自分たちで育て収穫した酒米を使って、地元の水で酒を造る。まさにそれが理想ですが、まだまだ米の収穫量が足りません」「こうした取り組みは、地域の農家さんとの連携など、今後のテーマになると思っています」そう語る清信一社長の表情からは、300年以上続く老舗酒蔵の蔵元としての重みが感じられます。富士錦酒造と言えば、毎年3月中旬に開催される『柚野の里・富士錦蔵開き』が知られています。富士錦蔵開きは、毎年1万数千人もの人々が訪れる大イベントです。柚野は決して交通の便の良い場所ではありません。たった1日のイベントのために、電車やバスを乗り継いで、あるいは貸し切りバスを仕立て、はるばる首都圏や山梨県からも多くの人が訪れます。富士錦のお酒の美味しさはもちろんですが、来場者を迎える社員、里の皆さんの一生懸命なおもてなし、そして、棚田の奥にそびえる雪化粧の富士山。この素晴らしい体験と風景が、来場者の心をつかんで離さないのでしょう。ただ、この蔵開きイベントも、コロナ渦の影で2020年から自粛されています。一年でも早く再開できることを願っています。
富士山からの伏流水で育ち育てる
柚野の里で理想の酒造りを追求す
柚野の冬は寒い。氷点下の澄んだ空気の中、朝日に染まる美しい富士を眺めていると、その清浄な気が真っ直ぐこちらへと、流れ込んでくるような気がします。確かに富士錦酒造のお酒は、「すっきりと澄んだ」という形容がとても似合います。雑味や濁りを感じないので、お酒を飲みこんだ後、フレーバーの余韻がスッと消えるのです。夏、キリリと冷やした富士錦はたまらなくいい。また、あまり語られることはありませんが、富士錦のお酒は燗酒にしても大変良い。キレイな酒質なので、熱燗にしても全体のバランスを崩すような強い味、匂いといった癖が出ず「スイスイ」と盃がすすみます。また、燗酒初心者に薦めると「美味しい!」と喜ばれるので、一度お試しいただきたい。「うちの仕込み水は、富士山の地下でろ過された伏流水です。硬度32という低ミネラルでとても優しい軟水です。この水の特徴をお酒に活かすのが、富士錦の酒造りの基本です」「お米を育てる田んぼの水も、お米を洗う水も、お酒の仕込み水も、酒造りの道具を洗う水も、そして普段私たちが飲んでいる水も、すべて富士山の伏流水です。この唯一無二の環境で造られるお酒を、多くの方に飲んでいただき、知ってもらいたいと願っています」そう清社長は語ってくれました。
*https://www.shizuoka-sake.jp/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E9%8C%A6%E9%85%92%E9%80%A0%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE/ より
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