日経MJ 2021年ヒット商品番付 技能賞
「配膳ロボット」
配膳ロボはここまで来た! 注目集める人気3機種の特徴まとめ 2021年11月3日 9:45 am 森正 隆太郎
昨年から続くコロナ禍により飲食店には大きな変化が起きた。その1つに上げられるのが、最適ルートを自動で割り出すAIと障害物や自機の位置を認識するさまざまなセンサーを搭載した配膳ロボット導入の広がりだろう。接客重視でロボット導入に後ろ向きだった外食業界で、非接触ニーズへの対応に加えて今後の人手不足対策としても注目され、大手を中心に導入が進んでいる。今回、さまざまな配膳ロボットの中から主要機種3台の特徴を比較した。
[日本外食新聞2021年10月5日号掲載(一部加筆・修正)]
世界で1万台以上稼働するAI配膳ロボの立役者
・PEANUT・
それまで配膳ロボットは床面にマーキングを施し、決められたレール上を移動する電車のような動きしかできないのが主流だった中、中国のKEENON(キーンオン)が開発し、今では欧州など世界各国で1万台以上稼働しているAI搭載型配膳ロボットの先駆けが「PEANUT(ピーナッツ)」だ。
同ロボットの特徴は、天井にラベル(マーカー)を貼ることで自機の位置を認識し、複数台で稼働する場合もAIがそれぞれの位置を把握して最適なルートで移動する点と、簡単な会話をしたり歌を歌ったり、ディスプレイの表情を変化させたりして親しみやすくした点だ。
連続稼働時間は10時間で、3層あるトレイそれぞれの耐荷重は10㎏。通路の幅は70㎝以上が必要で、販売価格は約150万~250万円。日本では「焼肉の和民」や「幸楽苑」「はなの華」などで導入されている。
9月10日には、日本の正規販売店である日本システムプロジェクト(JSP)が鈴茂器工の完全子会社となった。鈴茂は今後、厨房と客席を含めた店舗全体の省人化・効率化を支援するという。
ソフトバンクロボティクスがマーカー不要で高性能な日本製ロボ開発
・Servi・
AIやロボット開発の分野では中国が一歩先を行く中、ソフトバンクロボティクスが米Bear Roboticsと共同で開発したのが「Servi(サービィ)」だ。
「ピーナッツ」など多くの配膳ロボットとの最大の違いは、天井のマーカーが不要で3時間程度動かせばルートを記憶する導入のしやすさだ。
連続稼働時間は12時間で、トレイは上・中段の耐荷重が10㎏、下段は25㎏だが全体での耐荷重は30㎏までとなっている。また、下膳の時などに役立つバスケット型のトレイも用意している。通路の幅は60㎝以上が必要。
販売方法も異なり、他社では買い取りまたはリースが多いため初期費用で多額の資金がかかるが、「サービィ」は月額9万9800円(税別)で始められるという導入のしやすさにこだわった。「焼肉きんぐ」や「デニーズ」「ゆず庵」などで導入されている。
現在はアイリスオーヤマが、飲食店のニーズに合わせた同社独自のオプションを追加した「アイリスエディション」をレンタルしている。
ネコ型ディスプレイで集客効果も期待できる
・BellaBot・
ディスプレイに目や顔の表情を表示させる配膳ロボットは多くあるものの、ディスプレイの形をネコ型にすることで、より親しみやすさを増したのが中国のPudu Roboticsが開発した「BellaBot(ベラボット)」だ。
すでに世界60カ国で稼働しており、頭をなでたり、耳に触れると喜んで愛らしい表情を見せる一方、料理をずっと取らないと不機嫌な顔になるなど、さまざまな感情を表現。ロボットが動いていない状態で声をかけると本体が起動して簡単な対話も行うので、ファミリー向けの業態などで特に喜ばれる仕様となっている。
「ピーナッツ」同様、天井にマーカーラベルを設置して動線をプログラミングする。連続稼働時間13時間で、トレイは4層あり荷重は各10㎏。通路の幅は80㎝以上が必要となる。
9月7日には、パナソニック産機システムズが受注販売することを発表した。料金はオープン価格となっている。
*https://foodfun.jp/archives/16667 より
今後、「人不足」解消の一助に。
ただ「配膳ロボット」の導入費用・メンテのコストがどこまで?回転ずしのようなレーン配膳と費用対効果は?
これから進化していくことで導入実績増加がコストダウンになれば。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます