「うどの酢味噌和え」
主な伝承地域 北多摩地区
主な使用食材 うど
歴史・由来・関連行事
数少ない日本原産の野菜のひとつうどを用いた料理と言えば「うどの酢みそ和え」が代表的。江戸時代の後期から東京で栽培されたうどは、練馬大根などとともに、江戸東京野菜のひとつとして親しまれる伝統野菜。
深さ3~4mほどの室(むろ)と言われる穴で育ち、光が当たらないため白く繊維も柔らかであくも少なく、独自の風味や食感が特徴だ。
この室の入口は、人が一人入れるくらいのわずかな空間であり、その狭さの中で植え付けから収穫までを行う手間のかかった野菜である。
1830年代の江戸時代後期以降から武蔵野八幡宮周辺でうどの栽培が始まった。この周辺は、旧武州多摩郡吉城寺村として江戸時代より農業が盛んであった。関東ローム層のしっかりとした地層や温度と湿度がうどの栽培に適しており、この地域で生産が盛んになっていく。1948年(昭和23年)から穴蔵でうどを栽培する軟化うどの研究がされ、その後うどの軟化法は北多摩地区に広まった。
食習の機会や時季
うどの旬は12月中旬から3月。江戸時代から栽培が始まったと言われるうどは、当時江戸っ子たちが初物を楽しむ食材のひとつだった。
飲食方法
厚めに皮をむいたうどを酢水につけて、短冊切りにし熱湯にくぐらせてから冷やす。砂糖とみそをよく混ぜて、酢、みりんなどを加えて酢みそをつくりうどと和える。うどは色が変わりやすいので早めに酢水につける。酢みそは、白みそを使うことが多いが、赤みそや合わせみそを用いることもある。菜の花やホタルイカなどもうどと酢みそと相性が良い。皮は天ぷらやきんぴらに利用できる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
東京うど生産組合連合会では、東京うどを用いた「うどの酢みそ和え」などのレシピをインターネットで公開し、保存、継承の取り組みを行っている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_30_tokyo.html より
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