アメリカの巨大資本と「スーパーメジャー」の動きを受けて、日本の業界と政界、学界、マスコミがどのように動いたのか。
今回からの検討作業のテーマは上記のとおりですが、作業を分かりやすくするため次の二つの視点から考えようと思います。
1. 「脱炭素社会」に向けた、アメリカの巨大資本と「スーパーメジャー」の動き
2. アメリカの巨大資本と「スーパーメジャー」の動きを受けた、日本の業界と政界、学界、マスコミの動き
ネットを検索しますと、早速情報が2つが見つかりました。
1つ目は、2020 ( 令和元年 ) 10月1日付の『ジェトロ ビジネス短信』が伝える、「ロイヤルダッチ・シェル」と「シェブロン」2社の情報です。
「ジェトロ ( 日本貿易振興機構 ) 」は、経済産業省が所管する独立行政法人ですから、「エナシフ」や「サステナブル・ブランドジャパン」に比べますと、まだ信頼できる組織です。情報公開も、下記の通りきちんとしています。
・ジェトロは、東京都港区赤坂に本部を構える。
・設置法は。独立行政法人日本貿易振興機構法。2003 ( 平成15年 ) 10月1日設立。
・職員数は日本国内1,045名、日本国外721名。日本の貿易の振興に関する事業、開発途上国・地域に関する研究を幅広く実施している。
ですから、今度は安心して記事が紹介できます。
・米国をはじめ世界の石油ガス上流企業の間で、持続可能な開発の観点から、ESG投資の拡大が不可欠となっている中、「日本財団」は9月17日から、日本メーカーと石油メジャーによる「再生可能エネルギー」と「環境」分野での、新たな連携技術開発プロジェクトの、アイディアを募っている。
ここではいち早く、国交省が認可している「日本財団」が顔を出しています。
・「日本財団」は2018 ( 平成30 ) 年5月、世界の主要石油・天然ガス生産大手らが組むコンソーシアム「 Deep Star 」と、海洋技術の共同開発のため覚書を締結した。
・そして日本企業が、これらスーパーメジャーなどと連携して、技術開発を行うプログラムを設置した。
「Deep Star」という新しい組織名と、聞き慣れない用語 ( ESG投資 ) が出てきますが、これは後で調べるとして、重要な点は次の二つです。
1. 日本企業がスーパーメジャーと連携して、「再生可能エネルギー」と「環境」分野での技術開発を行っていること。
2. ここで言うスーパーメジャーとは、「ロイヤル・ダッチ・シェル」と「シェブロン」であること。
つまり2社は、「再生可能エネルギー」と「環境」分野での利益追求へと、舵を切ったということです。「Deep Star」については、次のように説明してあります。
・テキサス州ヒューストンで設立された、民間の技術開発共同事業体。
・石油会社をはじめ、エンジニアリング会社、大学などがメンバーになっている。
2つ目の情報は、令和3年11月3日の「日経新聞 ( ニューヨーク発 ) 」の記事です。
・米アマゾン・ドット・コム創業者の、ジェフ・ベゾス氏が立ち上げた基金や、「ロックフェラー財団」などは、2日、途上国の再生可能エネルギーへの移行を加速させるための、新たな団体を立ち上げ、100億ドル(約1兆1400億円)を投じると発表した。
「ロックフェラー財団」も、再生可能エネルギー分野へ巨額の投資をし、新しい利益追求を始めたということです。
聡明な方は青山氏の主張する「メタンハイドレート」が、日本のマスコミではなぜ表に出てこないのか・・予想がついているのではないかとそんな気がいたします。しかし念には念をいれ、もう少し検討作業を続け確かな情報を探したいと思います。
国際金融資本と「スーパーメジャー」が、「脱炭素社会」に向けて石油業から撤退し、「再生可能エネルギー」と「環境」分野で、新たな市場を開拓しようとしているのが、ここまでの調べで分かりました。
では日本の石油業界は、どのような動きをしているのかを次回から調べてみます。