ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党への疑問 - 11 ( 経団連副会長の杉森務氏と日本財団 )

2025-01-30 08:40:37 | 徒然の記

   1. 彼らは自分の影響力を、「日本の石油業界」で行使しようとする。

   2. 彼らは自分の影響力を、「日本の産業界」でも行使しようとする。

 今回は、「ねこ庭」が予測した2番目の項目について検討します。

 検討するのは令和3年12月28日の千葉日報が掲載した、経団連副会長の杉森務 ( つとむ ) 氏による「日本のエネルギー問題」についての談話記事です。( 共同通信社の全国配信記事 )

   ・2050年に炭素ガスの排出をゼロにするためには、原発の新設と建て替えが不可欠である。

   ・原発を含めたエネルギー政策全般の提言を、来年3月に取りまとめる。

   ・脱炭素化に取り組む企業支援のため、政府が2兆円の支援基金の創設をしたことは評価する。

   ・しかし研究開発だけでなく、社会ヘのインフラづくりを考えると少なすぎる。

   ・国際的な産業競争力維持のため、欧米に劣らない財政支援を要請する。

   ・2050年になると、廃炉問題で原発が全然足りなくなり新設・建て替えが必要となる。

   ・重大事故回避を考慮すると、小型原発のための技術開発に期待したい。

 談話を読んで「ねこ庭」が一番に感じた疑問は、次のことでした。

  ・経団連の副会長ともあろう人物が、日本の自前エネルギーである「メタンハイドレード」になぜ言及しないのか。

 「BSフジ・プライムニュース」で聞いた高市早苗氏の発言と共に、千葉日報の記事で感じた単純な疑問から、このシリーズを始めたと言っても過言ではありません。

 千葉日報の記事には、続きがあります。

 「 ENEOSホールディングス会長である氏は、経団連のエネルギー政策の担当で、脱炭素化議論を主導する立場にある。」

 そうであるなら、ENEOSの株主情報を合わせて考えると自然に答えが出てきます。

  ・「脱炭素社会」に向け石油業から撤退し、「再生可能エネルギー」と「環境」分野で新市場を開拓しようとするモルガン財閥が喜ばないことを、杉森氏に言える訳がない。

   ・モルガン財閥は、日本が自前で「メタンハイドレード」を開発するのを阻止するために筆頭株主となった。

 杉森氏はすでにモルガン財閥の代理人となっており、同時に経団連のエネルギー政策担当として産業界をリードする立場にいます。

 氏に協力する「日本財団」が公表した平成元年の資料がありますので、検討・紹介します。

 世界の「スーパーメジャー」と呼ばれているのは、下記の6社でした。

       1. エクソン・モービル  米国   

    2. ロイヤル・ダッチ・シェル  英国、オランダ  

    3. BP ( 旧フリティシュ・ペトローリアム )  英国  

    4. シェブロン  米国      

    5. トタル    フランス      

    6. コノコフィリップス  米国       

 「脱炭素社会」を目指し6社がどのように動いていくのか、 『ジェトロ・ビジネス短信』が伝えていることをシリーズ7回目のブログで紹介し、「日本財団」についても説明しました。

 この時の説明の一部を、「ねこ庭」は思い出します。

  ・日本財団は、平成30年5月、世界の主要石油・天然ガス生産大手らが組む、「コンソーシアム〈 DeepStar 〉」と、海洋技術の共同開発の覚書を締結した。

  ・同財団は日本企業がスーパーメジャーと連携し、技術開発を行う計画を実行に移した。

 令和元年5月に公表された「日本財団」の資料から、日本の主要企業がスーパーメジャーと連携し、どのような技術開発に取り組んでいるかを紹介します。(  注: 1.は、研究テーマ  2.は、協力する外資企業名 )

 〈  川崎重工業(株) 〉

   1.    自律型潜水ロボットの、海洋石油分野への実用

   2.   トタル(フランス)   シェル(イギリス、オランダ)

 〈 (株)島津製作所  〉 

       1.    海底での光通信無線技術の開発

    2.     シェル(イギリス, オランダ)   シェブロン(アメリカ)   トタル(フランス)

 〈  日本製鉄(株)  〉

   1.   海底ケーブル用の、新型スチールの開発

   2.   トタル(フランス)   シェブロン(アメリカ)

 〈  日揮(株)    〉 

   1.   天然ガス中のCO2等、高濃度酸性ガスの処理プロセス開発

   2.    Petrobras(ブラジル)   シェル(イギリス, オランダ)   JX石油開発(日本) シェブロン(アメリカ)

 〈  日産化学(株)  〉

   1.   海洋油田の生産効率を向上させるための、添加剤の開発

   2.    Woodside(オーストラリア)     シェブロン(アメリカ)

 〈 (株)日本ペイントマリン 〉

   1.   海洋油田での長期防食が可能な、新型塗料の開発

   2.   Anadarko(アメリカ)    Woodside(オーストラリア) シェブロン(アメリカ)   シェル(イギリス、オランダ)

 〈  日本電気(株)  〉

   1.   水中での、非接触型給電システムの開発

   2.   トタル(フランス)   シェブロン(アメリカ)     シェル(イギリス、オランダ)

 〈  三菱重工業(株) 〉

   1.    新型海底ポンプによる、海底原油採取の最適化

   2.   Equinor(ノルウェー)   シェブロン(アメリカ)    Shell(イギリス、オランダ)

   1.    海洋石油・ガス生産施設における、故障予想モデルの開発

   2.    Anadarko(アメリカ)   トタル(フランス)   シェブロン(アメリカ)

 〈  横河電機(株)     〉 

   1.   海洋石油開発にかかるパイプラインの詰まりや、腐食を防止するための添加剤注入新技術の開発

   2.   シェル(イギリス、オランダ)   シェブロン(アメリカ)

 これらのプロジェクトに石油業界は株主として参加し、産業界の各社は研究開発の連携企業として加わっています。国際金融資本家とスーパーメジャーが、「日本の石油業界」だけでなく「日本の産業界」へ影響力を行使しつつある状況が見えてきました。

 産業界がこれでは青山繁晴氏がいくら奮闘しても、「メタンハイドレート」は蚊帳の外に置かれます。安倍元総理も頑張っていたと【僕らの国会】で話していましたが、それでも彼らには叶わなかったと言うことになります。

 青山氏は経済産業省と中国政府は遠慮なく批判しますが、「ねこ庭」が調べた事実にはさすがに言及しません。自分の動画で国民に説明しない理由が、「ねこ庭」には痛いほど理解できます。

  1.  国民に説明しても、「陰謀論」と誤解されてしまう。

  2.  国民に説明したら、自分の政治生命を失うことになる

 「自由民主党への疑問」の森は、深く、大きく広がり、「ねこ庭」のシリーズはすでに「陰謀論」と誤解されているのかも知れませんが、今は誤解する人を相手にせず、日本を愛する国民の一人として作業を進めるしかなさそうです。

 誤解を恐れない方々だけ、次回の「ねこ庭」へ足をお運び下さい。

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やっと、自国エネ開発が進まぬ訳が分った (HAKASE(jnkt32))
2025-01-30 23:14:06
先日の、拙記事へのご見解を有難うございます。一部
貴見解と相違もある様ですが、大筋で擦り合わせていけ
ればなどとするのは楽観的でしょうか。

それは置くとして、今回の貴連載は 我国の今後を左右
しかねない基幹エネルギーに関わる問題でもあり、
中々に難しいですが 拙者も学ぶべきと思っていた所です。

拙地元からも近い遠州灘沖などに、低炭素面も有望な
メタン・ハイドレートの多くの埋蔵が指摘されながら
なぜ開発が進まないのか?一つの疑問ではありましたが、
ここまでの貴連載でその一部が氷解した様な気にも
なっている所です。

やはり米国の国際石油資本メジャー勢力や、同国の
巨大金融勢力との 利害を巡る軋轢がある様だという
のが拙受け止めです。

やはり対日締め付けを図るこれら勢力にとり、我国の
基幹エネルギー面の独立は おいそれとは認められない
芳しからぬ事態なのでしょう。

不慮の最期を遂げた安倍元総理を含め、我国の基幹エネ
独立を図らんとした為に政治生命を絶たれた各位も
複数あるでしょうが、その背景が何かを 少しずつ
理解でき始めている様な気がする所です。

前述の メタン・ハイドレートの件に加え、日本海側の
新潟・秋田両市の郊外界隈では、原油の滲出が問題化
しているやに聞きます。実はただの滲み出しではなく、
この地域には 本当は相当な石油資源があるのではとも
思ってしまう所です。

本当は資源があるのに、我国及び国内資本の独力での
開発ができない、合理性なき妨げに遭っているとしたら 
これは承服できない事だと心得ます。

いつまでも「真の独立」を手にできない大きな一因
でもあると思います。今月も、お世話様でした。来
月も、折々学習に伺いたく思います。引き続き、どうか
宜しくお願い致します。
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