昨日は晩学のアマチュア声楽家の話をしたので、今日は若きピアニストの話。
昨日NHKFMで、昨年11月に行われた学生音楽コンクールの模様が放送されました。
お目当ては、今回小学生部門で優勝した小学4年生の小林愛実さんの演奏。
彼女はあれよあれという間に有名になったので、詳しく説明することもないと思うのですが、私が彼女を知ったのは、あるコンクールの高校生までの部門において、わずか小学3年で一位になった時。
その後、一昨年たまたま彼女の演奏に接する機会があったのですが、これまでの人生であんなに驚いたことはないのではないかというくらい驚きました(以下その時の回想)。
彼女の紹介があり、「ではお聴きください」という状態になったのに、待っても待っても登場しない。
それはまあ、プロの演奏会ではそういうこともないとはいえないけれども、小学3年生が聴衆を待機させるわけです。ここで、まずびっくり。
次にやっと出てきたと思ったら、小3にしても小柄な普通の子です。「この子が、ショパンとかベートーベンを・・」と、ドキドキ。
それからあとも、お母さんによる、椅子の下のすべりどめの調整、アシストペダルの調整と入念な準備があり、さあすわりました。
・・・・でもうつむいたまま弾かない・・・ここからはもう同い年の子を持つ親としては「具合悪いのかしら、最初の音が出てこないのかしら」と気をもみました。
あ、弾くか弾くか~~~~~ああ、やっと・・・なんという洗練された響き・・・・
一曲目はショパン「ノクターン嬰ハ短調 遺作」でした。
目の前で展開されている小さい子による演奏の映像と、次々と紡ぎ出される音楽とのギャップが埋まらず、聴衆としては一時的に大変な混乱に陥りました。
二曲目は、べートーベンの「ソナタ作品10-1」でした。
オクターブの多い曲なので、さすがに手が届かず音を抜いていましたが、その不足を感じさせない。全体の音量にも特段の不満はない・・どころか作曲された当時の演奏であればこれくらいで弾かれたであろう、と彷彿とさせました。
それよりも驚いたのは3楽章までが、がっちりとパースペクティブに構成されていたことでした。これは、果たして教えこまれてできることなのだろうか・・・・
あとで、なにかで読んだところによると彼女は「悲しい曲の時は、涙で胸がいっぱいになるのを待って弾き始める」らしい。こういうタイプの子供にとって、コンクールの「何分以内で演奏」というのはなにか意味があるのかどうか・・・・
ところで、昨日の放送の話です。
モーツアルトのK332のソナタ1~3楽章でした。
彼女の演奏は、ショパンでもベートーベンでもバッハ(これはテレビで見ました)でもそうなんですが、すべて「この曲はこうあってほしい」という演奏をやってくれるところがすごい。
果たして、モーツアルトもそうでした。抑え気味の表現ながら、よどみなくかつ立体的に、全3楽章一気に聴かせてくれました。
「コンクールだから練習したのね」とかそういった感想をまったく起こさせない、ただモーツアルトの曲として聴かせるところが、すばらしい。
これほどの才能をもちろん世間はほってはおかないわけなのですが、一ファンとしては、なんとかステージ続きで消耗することなく、できれば音楽以外のことにもたくさん触れて、大きな大きな演奏家になってほしい。
ピアニストはスポーツ選手と違って活動時期が長いのですから。
一時的に演奏をお休みする時期があっても、おばさんは我慢しますからね。
・・・・・・・・・・・でも、また聴きたい(殴)
昨日NHKFMで、昨年11月に行われた学生音楽コンクールの模様が放送されました。
お目当ては、今回小学生部門で優勝した小学4年生の小林愛実さんの演奏。
彼女はあれよあれという間に有名になったので、詳しく説明することもないと思うのですが、私が彼女を知ったのは、あるコンクールの高校生までの部門において、わずか小学3年で一位になった時。
その後、一昨年たまたま彼女の演奏に接する機会があったのですが、これまでの人生であんなに驚いたことはないのではないかというくらい驚きました(以下その時の回想)。
彼女の紹介があり、「ではお聴きください」という状態になったのに、待っても待っても登場しない。
それはまあ、プロの演奏会ではそういうこともないとはいえないけれども、小学3年生が聴衆を待機させるわけです。ここで、まずびっくり。
次にやっと出てきたと思ったら、小3にしても小柄な普通の子です。「この子が、ショパンとかベートーベンを・・」と、ドキドキ。
それからあとも、お母さんによる、椅子の下のすべりどめの調整、アシストペダルの調整と入念な準備があり、さあすわりました。
・・・・でもうつむいたまま弾かない・・・ここからはもう同い年の子を持つ親としては「具合悪いのかしら、最初の音が出てこないのかしら」と気をもみました。
あ、弾くか弾くか~~~~~ああ、やっと・・・なんという洗練された響き・・・・
一曲目はショパン「ノクターン嬰ハ短調 遺作」でした。
目の前で展開されている小さい子による演奏の映像と、次々と紡ぎ出される音楽とのギャップが埋まらず、聴衆としては一時的に大変な混乱に陥りました。
二曲目は、べートーベンの「ソナタ作品10-1」でした。
オクターブの多い曲なので、さすがに手が届かず音を抜いていましたが、その不足を感じさせない。全体の音量にも特段の不満はない・・どころか作曲された当時の演奏であればこれくらいで弾かれたであろう、と彷彿とさせました。
それよりも驚いたのは3楽章までが、がっちりとパースペクティブに構成されていたことでした。これは、果たして教えこまれてできることなのだろうか・・・・
あとで、なにかで読んだところによると彼女は「悲しい曲の時は、涙で胸がいっぱいになるのを待って弾き始める」らしい。こういうタイプの子供にとって、コンクールの「何分以内で演奏」というのはなにか意味があるのかどうか・・・・
ところで、昨日の放送の話です。
モーツアルトのK332のソナタ1~3楽章でした。
彼女の演奏は、ショパンでもベートーベンでもバッハ(これはテレビで見ました)でもそうなんですが、すべて「この曲はこうあってほしい」という演奏をやってくれるところがすごい。
果たして、モーツアルトもそうでした。抑え気味の表現ながら、よどみなくかつ立体的に、全3楽章一気に聴かせてくれました。
「コンクールだから練習したのね」とかそういった感想をまったく起こさせない、ただモーツアルトの曲として聴かせるところが、すばらしい。
これほどの才能をもちろん世間はほってはおかないわけなのですが、一ファンとしては、なんとかステージ続きで消耗することなく、できれば音楽以外のことにもたくさん触れて、大きな大きな演奏家になってほしい。
ピアニストはスポーツ選手と違って活動時期が長いのですから。
一時的に演奏をお休みする時期があっても、おばさんは我慢しますからね。
・・・・・・・・・・・でも、また聴きたい(殴)