高校を出て東京へ出たばかりの時は、笑っちゃうようなことがたくさんあった。
私の出身高からは、16人もの人間が同じ大学に入ったが、
その連中が、「標準語」でしゃべり始めたこと自体がもう「演劇」のようだった。
しかも私にいたっては、「<井上陽水>は<吉田拓郎>の芸名だ」と信じていたような、
きわめて非常識かつシュールな状態だったのだから、大変だ。
そのくせ、というかそれだからこそ、やはり東京に出たからにはカッコ良くいきたかった。
まず、「珈琲館」に入った(笑)。
あまたのコーヒーの名前が並んでいるのに仰天したが、
そこは落ち着きはらって、渡辺淳一著「阿寒に果つ」の
エキセントリックなヒロインが愛飲していた
きりまんじゃろ
をご指名した。
・・・・・・比較すべきほかのコーヒーを知らないので、
ただのコーヒーだった。
次に、カフェバーみたいなところに入った。
昼だったから酒は飲まなかったが、ただのジュースはやめようと思った。
なかなか決まらない。
「ご注文は?」
迷ったあげく、卓上の水を一気に飲んで答えた。
「ペりえ」
ただの水だった・・・・。
これからは金払って水を飲むのはやめようと思った
私の出身高からは、16人もの人間が同じ大学に入ったが、
その連中が、「標準語」でしゃべり始めたこと自体がもう「演劇」のようだった。
しかも私にいたっては、「<井上陽水>は<吉田拓郎>の芸名だ」と信じていたような、
きわめて非常識かつシュールな状態だったのだから、大変だ。
そのくせ、というかそれだからこそ、やはり東京に出たからにはカッコ良くいきたかった。
まず、「珈琲館」に入った(笑)。
あまたのコーヒーの名前が並んでいるのに仰天したが、
そこは落ち着きはらって、渡辺淳一著「阿寒に果つ」の
エキセントリックなヒロインが愛飲していた
きりまんじゃろ
をご指名した。
・・・・・・比較すべきほかのコーヒーを知らないので、
ただのコーヒーだった。
次に、カフェバーみたいなところに入った。
昼だったから酒は飲まなかったが、ただのジュースはやめようと思った。
なかなか決まらない。
「ご注文は?」
迷ったあげく、卓上の水を一気に飲んで答えた。
「ペりえ」
ただの水だった・・・・。
これからは金払って水を飲むのはやめようと思った