~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

我輩は主婦である。気楽でごめん

2006年06月04日 22時05分20秒 | 家族・友人等
今日から新装開店(笑)なので、ちょっと違う話題を・・。

私、デパートに3年半ほど勤めていたことがあるのですが、
この時の売場は食器売場。
最初輸入食器全般をやり、次にドイツの某メーカーの専属、
最後は和食器を担当いたしました。

それまで、プラスチックもどきの食器で寮食を食べていたものとしては、もう驚きの世界でした。
コーヒーカップが一客最低数千円、高いものになると数万円。
ディスプレイ品を毎朝掃除するのですが、
お茶碗もろくに洗ったことがないものが、そのような高価な商品を扱うこと自体がもうストレス。
まして、脚のほそ~いワイングラスなんて・・・

お客様にしても、大事なプレゼントや引き出物としてお求めになられる方が多いわけなので、
未使用の段階で「割れていた」ということは絶対に許されません。
梱包は迅速丁寧、かつ開けやすく・・というわけで、
接客と同時に包装技術の習得にも苦労しました。

しかし、どんなに頑張っても、ビックリするようなことは起きるもので・・・。

ある日、大変高価な磁器のお人形を求められた方がおられました。
「お顔が気に入って」ということで、即買われました。
これが、細かい細かいレースのドレスを着ているお人形で
このレースももちろん焼き物なわけなので、入念な商品点検をし、
箱詰めの段階では何種類ものクッションを使い分け、
さらに「開封の際は十分お気をつけください」とお持ち帰りいただきました。
翌日・・・・
娘さんを伴なって来店された件のお客様、
「お洋服が欠けていたんです!」
原因はなんだかわかりませんし、追求することも許されませんので、ただただ謝るしかありません。
何点か同じものを輸入してそれからお選びいただくようにお話したのですが、
「もう、同じお人形は来ないのですよ~~~~。
お人形がかわいそうです~~~~~~~」
と泣き崩れられたまま。何を言っても「お人形がかわいそう・・・」を繰り返されるばかり。
まいりましたねえ
なにかこう、人でも間違ってあやめてしまったような罪悪感でした。
そのときは、一緒についてこられた娘さんがなんとかとりなしてくださって、
たしかそのままお引取りいただいたように記憶しています。

新装開店にしては情けない話なのですが、
仕事をしている時は、まあこういうことが日常的で、
そういう意味では今はほんとに気楽な毎日です。

毎日絶対ミスの許されないお仕事(たとえば手術とか)につかれている方々には、
ほんと頭が下がります。
カギやらガスやらも締め忘れそうな私には、先天的にムリなお仕事だったようで・・・