アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

お土産をくれたラーメン屋

2017年01月26日 | Weblog
昔の話ですがね。大学2年生のとき、全共闘が校舎を占拠してストライキをしました。大学3年になって、機動隊が突入して校舎を取り戻してロックアウト。つまり、ほぼ2年間、満足な講義を受けられませんでした。4年生になって、普通の大学生生活に戻ったのですがね。
 えっ?それなら「キセル卒業」だろうって?いえいえ、とんでもない!「ウイッツ青山学園」のマネをするわけではありませんが、大学へ通わなかった2・3年生の2年間、大変貴重な経験を積み重ねていましたから空白ではなかったのです。単位にして卒業単位の数倍は取得しましたよ。

 時間はたっぷりあったので、こともあろうに「九州を2周」しました。九州は意外に小さいのです。国鉄(当時)に乗って好きな駅で降りて…予算ですか?アルバイトをしておりましたから、貯まったら旅行です。
 で、どうして今それを思い出したかですが、ニュースの片隅に、「鹿児島ラーメンの老舗『のぼる屋』を継いだ店が開業」というのを見つけたのです。
 正しく、ちょうど50年前、鹿児島で降りて、当時から有名だった「のぼる屋」でラーメンを食べたのです。50年前のことなのに、「のぼる屋」でピンと来て、テーブルの様子、店員のおばさん達のサービスぶりを思い出しました。私の脳、昔のことを鮮明に思い出す…これが老化って事かも知れませんがね。

 昼食の時間帯を外れていたので、客は私一人。赤いハットで麻袋(旅行鞄の代用)を担いだ19歳の私が珍しかったらしく、店員のおばさん達が世間話をしに寄ってきた。1分も経たないうちに旧知の仲。私の旅行談に、おばさん達はイスから転げ落ちて、「腹痛い!」と言いながら大笑いしてくれました。
 帰りがけに、「団扇」やら「菓子」やら「なんかよくわからないもの(物置を捜せば出てくるかも知れない。捨てずに持ち帰ったので)」やらを持たせてくれました。ラーメン屋でお土産をもらったのは、後にも先にもこれっきりです。

 「のぼる屋」、3年前に67年の歴史に幕を下ろしたという。で、いま、「のぼる屋」を継いだ店が鹿児島市に開業したのだそう。開業5カ月。行列ができるほど好評なんですと。
 えっ?食べに行くのかって?御菓子や、団扇をくれそうもないから行かないけどね。