アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ウィッシュボーン爺さんは鍋に蓋をしなかった

2011年07月28日 | Weblog
日本には、「割れ鍋に綴じ蓋」ということわざがある。「割れ鍋」は、その通り、割れて壊れた鍋。「綴じ蓋」は、「繕って修繕した蓋」のこと。
 意味ですが、割れた鍋と、繕った蓋だから、「どうにもこうにも使い物にならないもののこと」…ところが、これが違う。
 「割れた鍋にピッタリ合う蓋などないが、繕って修繕した蓋ならぴったり合う。どんな人にも、相応した人(配偶者)がいるという喩え」凄く驚くのは、「割れ鍋に綴じ蓋」は、英語では、「Every Jack has his Jill」です。「どんなジャック(男の名)にも、ぴったりのジル(女の名)がいる」こういうのを発見したときは、「やったーっ!」という気分になります。
 英語の「割れ鍋に綴じ蓋」には、鍋も蓋も出てこないが、意味はピッタリ同じです。では、英語では、なぜ鍋や蓋を持ち出さなかったのか?

 ここからは、また得意の自信満々の推測となりますが…
 そもそも、欧米では、鍋はあっても蓋は少ない。「鍋と蓋」で一組という考えがない。
 ステーキを焼くのにフライパンに蓋をしますか?バーベキューに蓋をしますか?どうですか!そもそも蓋というものが少ない。
 「シチューなど、煮込むものは蓋をするんじゃないか?」って?そういう人は、
テレビ西部劇「ローハイド」を観ていなかったんじゃないの?観ていたとしても、注意深さが足りませんでしたね。ローハイドに出てくるコックさんは、ウィッシュボーン爺さん。彼の得意料理(つまり毎度同じなのですが)は、「シチュー!」。大きな寸胴でシチューを作るのですが、蓋などしたことはありません。
 「で、でも、アメリカの鍋にも蓋があるよ…」だって?そりゃあ、ありますよ。だから、「(鍋はあっても)蓋は少ない」と書いたのです。「蓋はありません」とは書いていません。わっはっは!(←勝ち誇ってしまっています)
 中華も蓋は使いません。中華鍋に蓋をするときは、「湯」を沸かすときだけ。フレンチも、蓋は使いません。特別なケースを除いては。

 「どうしてそれほど蓋を嫌うんだ?」だって?実は嫌っているんじゃなくて…
 ハウ○食品のカレールーの新しいパッケージを見ましたか?裏面に、蓋をした鍋のイラストと「鍋ぶたをしてエコ調理」という表示が。「カレーを作る時は鍋に蓋をしない」との考えだったハ○ス食品が、エネルギー節約の対策として、蓋をすることにした。10~20%のエネルギー節減となるのだそう。味は同じなのだそうで…。
 だったら今までの蓋をしないという方針は何だったんだ?それがちょっと嬉しい話なのですが、「理由はどうしても分からない。ずっと続いた不思議な常識」なのだそう。天下の○ウス食品が分からなかったことを私が知っている!ああ、気分がいい。
 なぜ、蓋をしないのが常識だったか?私が、緻密な推測から導き出した答えをお教えしましょう。「ウィッシュボーン爺さんが蓋をしなかったから」です。爺さんは、シチュー専門だろうって?シチューもカレールーも同じです。

 なお、「割れ鍋に綴じ蓋」ですが、「…閉じ蓋」ではありませんので。注意してくださ~い。