アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

家業は「かきくけこ」です

2024年11月13日 | Weblog
 同居中の2歳7ヶ月の孫に、子守りのときに歌ってあげる歌。

 ♪猫はニャー 犬ならワン(そりゃそうだ)
 象はパオーン ライオン ガオーッ(だから、何?)
 僕たちは 人間だもん(相田みつおさんじゃないんだから)
 あかさたなはまやらわをん(文尾の「をん」が難解かも)
 五十音使いコミュニケーション(カタカナも使うんかい!)
 言葉巧みなコミュニケーション(詐欺師か!)
 語り合おう わかり合おう(犬養毅首相かっ!)
 まずは話し合おう(さらに犬養毅首相かっ!)

「こんな怪しげな歌を聴かせるのは良くない」って?正直言いまして、幼児に聴かせる歌のレパートリーがないんですぅ。
 団塊世代でも、この歌を知っている方は少ないかも。古すぎますねえ。。

 この歌、「あかさたなはまやらわをん」という題名の歌の一番(の歌詞)です。猫、犬、象、ライオンぐらいまでなら、記憶にある人もおられるかと。
 (歌詞の)下の二行は、五・一五事件の時に暗殺された犬養毅首相の言葉。
 攻め込んできた青年将校たちに何度も何度も言ったといわれていることばです。そのあと、青年将校たちは、「問答無用、撃てぇーっ!」。1932年のことでした。 
 さすがの私も、まだ、この世には存在していませんでした。

 就活中の日本人の若者との雑談…スマホを自在に使いこなす。文章を打つ速さたるや見事というほかはありません。
 ところが皆さんがそうではないでしょうが、五十音…これがよく分かっていない!
「それじゃあ、辞典が引けないでしょう!」と、ツッコミを入れると、「辞典ですか?あーっ、引かないから大丈夫です!もってないしぃ」。…大丈夫じゃないと思うのですが。

 そんなわけで、「日本語の場合は、あ行が母音だよ」と、言っても、「キョトン!」。「あ行」という言葉自体が非日常だった様子。まさか、蛙業(蛙を飼う業者)、胃業(飲み込んだレゴを胃袋の中で組み立てる…それは、偉業ですね)、鵜業(もちろん鵜飼)、絵業(画家)・・だと思っている?失礼、失礼。

 伝説として…入社試験の面接で、「家業は?」と聞かれた学生が、躊躇なく、「かきくけこです」。と、答えた。
「か行は?」という質問だと思い、「かきくけこ」。
 この学生は、立派ですよ。五十音も、「か行」も知っていた。しかし、BUT!「家業」という言葉を知らなかった。古い日本語ですから。
 今「カギョウ」と聞いて、どのくらいの若者が、「家業」を思い浮かべるか。「稼業」を思い浮かべる人ならいるでしょうけど。「か行」を連想する人となると、皆無に近いかも。

 「や行」は、「夜業」に通じるが、今や、「夜業」を知る人が…何人いるか?「よなべとも読むよ」と教えても、信じないだろうなあ。夕食が「鍋料理」だと思うでしょうねえ。
 「さ行」は、「作業」に通じますがぁ。ダジャレもあります。「おーい!さしすせそは、手早く!」
 面白いけど、長い!
「おーい、作業は手早く!」で、いいわけで…。

 辞典を引かなければ、五十音を知らなくても生きていける。そんなわけで、冒頭の歌が消えていったのですね。
と、思ったら…!KREVAさんって、ご存じでしょうか?日本のヒップホップ(音楽・ダンス・ファッションを中心とする黒人文化)を牽引している方だという。その方が「あかさたなはまやらわをん」を歌っていました!ビックリ!YouTubeで公開されています。

 犬養毅首相については、どうオチをつけてくれるんだって?
 ま、まあ、そう興奮せずに!「話せば分かる。話せば分かるのですーっ」