これらの豆本はすべて「東海道五十三次」の作品だが、中身はすべて異なっていて、それぞれには二つの作品を収めてある。
上段左から「保永堂版と狂歌入り東海道」「行書と隷書東海道」「蔦屋版と有田屋版東海道」、下段左から「美人東海道」「人物と竪絵東海道」「五十三対と双筆東海道」である。このうち「美人」のもう一作は英泉のものであり、「五十三対」は豊国・国芳との三人が各駅を分担したもの、そして「双筆」は全各駅の人物を豊国、風景を広重が描いたものである。従って広重単独の「東海道」は九作品ということになる。
広重は他に「貼り混ぜ」という、五か所の宿駅を一枚にした東海道十二図があるそうだが残念ながら入手出来ていない。
また他に「東海道図絵」という版本もある。