徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

川田忠明氏の「名作の戦争論」から名曲を考える(1)

2009-02-07 | 読書
 昨年11月に発行された川田忠明氏の著作「名作の戦争論」(新日本出版社)、書名に惹かれて購入した。
第2話に『愛の喜び』『愛の悲しみ』『美しきロスマリン』で有名な「クライスラー」。第一次世界大戦でロシア戦線に召集され、このときの体験に、ロシア軍兵士とタバコを交換するという、戦闘中とは考えられないことが起こったこと、食料がなくなり、餓死寸前のロシアの兵隊が食料を恵んでほしいとの申し入れを受け入れ、クライスラーは、とっておきのチョコレート2枚を提供したこと、これを彼は「残忍な近代戦争のもっとも野蛮な残虐行為の中にあって、文明のもっとも優しい花々が咲いた、素晴らしい例だ」と自賛している。この結果、翌日に、ロシア軍にオーストリア軍は壊滅させられ、クライスラーも命からがらウィーンに戻って行く。が、クライスラーはロシアを「恩知らず」とは責める言葉がないという。
これは、ロシアとオーストリアの間でだけのことではない。ドイツとフランスの間をはじめ、ヨーロッパの戦争では、よく見られたことのようである。
川田氏は、20世紀の戦争は、クライスラーが体験したような『騎士道』的ロマンチシズムの可能性を抹消することによって、悪魔的変貌をとげていったのである」と、指摘している。
日本でも、戦国時代、明治維新戦争のなかにも、そのようなことがあったのでは、それがあの中国・アジアでの戦争は、「ロマンチシズム」を一切奪い取ってしまった。



自然豊かな野川

小金井市東町の南側を流れる野川。 国分寺崖線のはけの道に沿って。