徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

川田忠明氏の「名作の戦争論」から名曲を考える(3)

2009-02-13 | 読書
「フランス革命は、歌と行進曲に満ちていた」と、上杉信也の著作から引用し、1789年のフランス革命の年から1803年までの4年間に、1374の「革命讃歌」がつくられたといわれると書いている。ただ、このほとんどは残っていないという。
 が、巨匠と言われる音楽家に大きな影響を与えたはずと書き、ハイドンの交響曲第100番『軍隊』{1974年}、ベートーベンの交響曲第3番『英雄』、(1804年)。モーツァルトの『フィガロの結婚』、(1786年)『ドン・ジョバンニ』、(1787年)『コジ・ファン・トッテ』、(1790年)『魔笛』(1791年)などを挙げている。
 1788年から5年間、オーストリアとトルコの戦争、オーストリア兵の間は疫病が流行、数千人の兵士が死亡したとされていると、オーストリア国内でも、食糧不足、物価高騰、税負担の増大、徴兵を恐れた貴族は国外に脱出、音楽家のパトロンは激減、モーツァルトもこの戦争の影響をまともに受けていると指摘。
 こんな最中に≪コジ≫は初演、若者二人がそれぞれの恋人の貞節をためそうというたわいのない内容と思っていたが、この背景を思い浮かぶと、2人が戦地へ行ったことにして、「とりかえばや物語」よろしく、試そうという話も、戦争へのモーツァルトの思いも伝わってくるようだ。
 ≪フィガロ≫も、そういえば、ケルビーノに、軍隊行きを命じられていることも、面白い。
 著者の川田氏、「反戦オペラ」というつもりはない。ただ、「貴族趣味的再現をぼんやり眺めるよりはるかに面白く、また意義のあることのように思えるのだが。」と締めくくっている。
 200年以上も世界の人々に愛されているのも、こうしたところにあるのかも知れない。

自然豊かな野川

小金井市東町の南側を流れる野川。 国分寺崖線のはけの道に沿って。