おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

通じやすく話す

2019年01月18日 | 重力奏法
ロシアンメソッドを多くに生徒さんに教えるようになって1年が経とうとしています。

初めは「はじめの一歩」を使いました。
それが一昨年の12月です。

イリーナ先生のテキストを初めて生徒さんに使ったのは少し後の昨年の2月です。
そのあとやり直したい生徒さん、新しく始める生徒さんには必ずイリーナ先生のテキストを使うようになりました。

初めは、
生徒さんの手を持って上手く教えられるのか
退屈しないか
嫌がらないか
これで本当に弾けるのか

という不安がありました。
しかし、思いの外これらは心配したほどではありませんでした。

次第に次のようなことが懸念されるようになりました。

何をやっているのかわからない
何のためにやっているのかわからない
いつ曲が弾けるのか

これらは保護者の方が抱く不安です。

ロシアンメソッドを始める時は生徒さんが受け入れてくれるかという心配だけがありました。
しかし、実際に始めてみると生徒さんより保護者の方に理解していただく方が骨が折れるとわかりました。

特にピアノ経験者の保護者の方々です。

自分が習ってきたことと違う。
そんな事やらなくともピアノは弾ける。

これが一番の障害です。

初めは「ロシアンメソッドと言って」と腕の重さで弾くことを説明していました。
それで分かって頂ければよいのですが、そうではない方の方が多いと分かりました。

次第に私から「ロシアンメソッド」という言葉を口にすることがなくなっていきました。

「肩からの重みを使って腕をリラックスさせて弾く」その事を初めから覚えてもらいますという話し方に変わりました。

しかしこれでも分かりづらいように思い、何か言い方がないかと思っておりました。

それで辿り着いたのが、「ピアノは身体の使い方を知らなければ弾けるようにならない。私はピアノを弾く時の身体の使い方と音の読み方を同時に覚えてもらっています」

そして2つの奏法を聴き比べていただきます。
奏法の名称は言いません。
違いのわかるあなたへ

「これまでよくあったやり方は音の読み方を覚えてから弾き方を直す」というやり方。しかしこの方法で成功することはほとんどないということも付け加えることもあります。

ノンレガートから始めるのはスケートと同じでまずは氷の上を歩けるようにすること。歩けないのに滑ることを教えてもヨロヨロして上手く滑ることはできない。
フィギュアスケートに例えると・・

保護者の方に一緒にレッスン室に入っていただくことをお願いするのはバレエの鏡と同じ役目。どんな音質で弾いているかどのように腕や手首が使えているかをお子さんの代わりに見ていただきたい。弾くことで精一杯でそこまで分かるのは大人でも難しい。
レッスンに参加する意味

「美しい音で弾くこと」それが一番大事なことだと思ってレッスンをしていますとお話します。

それを受け入れるか入れないかは選択の自由なわけで、楽器店で仕事をしている人間がこれを言うのは楽器店に迷惑を掛けることもあるので問題かもしれませんが、自分の周りから変えていかなければ20年後も30年後も日本はピアノ後進国なままで恥ずかしいと思うわけです。

      
年配の方に「ロシアンメソッド」と言う言葉を使いましたら、ロシア=悪い国 怖い国 怪しい国のイメージがあるとかで良い印象を持たれませんでした。
メソッド云々の前にそのようなイメージの問題も存在しそうです。
コメント
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