おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

巡礼の旅 第2回「伝統への挑戦」阪田知樹さん

2021年12月01日 | コンサート情報
阪田さんのユニークな企画「巡礼の旅」第2回を聴いてきました。

演奏前にプレトークがありました。
自分史上、最大にマニアックなプログラム、と。



前半の曲は全て初めて弾く曲だと。
そして今後も弾かないのではないかと。

貴重な機会に遭遇しました。
第1回は昨年の予定でした。それが今年の6月に延期になり、
チケットは完売していたので、私は第2回から旅に参加です。

リストは、ショパンやブラームスと異なり、
メモのように作品の断片を残しているので、
どのような過程で曲が出来上がったかを知ることが出来ると。

ピアノ協奏曲第2番のソロ版は、
この曲を決めた時には手元に楽譜がなく、
イタリアの知らない出版社から出ているのを入手したと。

楽譜を見てギョッと(このような言い方ではなかったかもしれませんが)した、と。
今回、リハーサルの時から、
この曲を弾き終えて自分が生存しているだろうか、と周りに言っている、と。

楽譜は、その後ブタペストの新リスト全集に入り、
そちらを使われていました。

ピアノ独奏用初稿、とありますが、本当に?という印象。
もうおびただしい音の数です。

阪田さんが仰っていましたが、
作曲する時は最初にピアノで弾く用に作って、
そこから他の楽器に割り当てていく。

初めからスコアで書かない、と。

このコンチェルトの初稿は、つまりそういうことのようで。
ここから、オケのパートを割り当てて、
ピアノ独奏も整理して、ということです。

プログラムを全曲弾き終えて、
ピアノの負荷が大きくて、
ラフマニノフの3番のコンチェルトを
2~3回弾いた感じだと。

阪田さんでなければ組めないプログラムです。

最後のベートーヴェンの交響曲第2番。

ピアノで聴くと、ピアノソナタの要素が
たくさん聴こえてきて、
ベートーヴェンのピアノソナタが
オケに置き換えられるとよく聞きますが、
逆を聴いて、それを実感しました。



只今、「師としてのリスト」という本を読んでいます。
リストの弟子の1人が、リストのマスタークラスでの
レッスンをメモしていて、それを本にしたものです。

リストがどんな演奏をしたか、
どんな音楽を要求していたか、
どんな言葉を言っていたか、

結構面白いです。

至って常識的で、現代の私たちには
馴染みやすい気がします。

こちらの本の話は、後日、自分のためにも
書いておこうと思います。


今日も阪田さんの音は、魅力的でした。
あんなに多くの音を弾いても、安定した音。

偉いものです。
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