前回、「師としてのリスト」という本をご紹介しました。
その本の最後に、リストの弟子たち(Lisztianer 弟子と認められた門下生たち)の録音が紹介されております。
リストの臨終に立ち会った弟子3人の中の一人、
ベルンハルト・シュターフェンハーゲン(Bernhard Stavenhagen 1862-1914 ドビュッシーと同い年です。)
リストの最後の高弟で、師に目をかけられ各地に同行。
彼の演奏が見つけられたので、ご紹介を。
19 Hungarian Rhapsodies, S244/R106: No. 12 in C-Sharp Minor (Welte-Mignon piano roll recording)
もう一人、リストの演奏に最も似ていると目されたピアニスト。
アルフレート・ライゼナウアー(Alfred Reisenauer 1853-1907)
11歳でリストに師事。巨漢で酒豪。リサイタル後、ホテルで急死。
19 Hungarian Rhapsodies, S244/R106: No. 10 in E Major, "Preludio" (Welte-Mignon piano roll...
他にも、リスティアナーの録音を見つけることができます。
少し聴いてみた所、この2人が印象的。
リストがレッスンで口にしていた言葉、
「それじゃ学生みたいだ、恥ずかしい」
この2人、その言葉とは無縁だったような演奏。
実際に作曲者本人であり、大ピアニストだったリストの前で
自分が作曲したかのような演奏を繰り広げていた様子が想像できます。
リストもフレンドリーに弟子に接していた様子で、
レッスン後に、一緒に飲みに出かけたり、トランプをしたり。
本を読みながら、リストが自分の和声法について、
音楽院を卒業できない、とよく言っていたようなので、
ドビュッシーの音楽は知っていたのだろうか・・、と
思いました。
シュターフェンハーゲンがドビュッシーと同い年。
もし、聴いたことがあるとしたら、どう思ったか知りたい・・
お弟子さんも作曲、編曲、即興などされていた様子。
リストは自分のことを
「編曲はいかにも私向きだが、作るとなるとそうもいかないのだよ」と、自虐的。
私はリストファンではなく、
ハンガリー狂詩曲第12番を弾かされていた時には、
「余計な音しかない。このハッタリ感、ゾッとする」
と、思っておりました
今回、シュターフェンハーゲンの演奏を聴いて、
「あら?いかにもジプシーっぽい民族色の濃い音楽。
上手い人が弾くと説得力がある。」
と、やっとこの曲を面白いと思えました。
でも、やっぱり弾きたくは
ない・・