先週土曜日にダン・タイ・ソンのマスタークラスがありました。
私は行けなかったのですが、大人の生徒さんで受講曲にあるショパンの舟歌を弾いている方がいらっしゃるので、もし良かったら行ってみては?と声を掛けておりました。
今日、その方のレッスンがあり、どうだったか聞くのを楽しみにしておりました。
まずは、受講生とダンタイソンの音が全然違うと。
あんなに違うとは思わなかったと。
そして、ダンタイソン氏のコンサートもあったのですが、作曲家によって音を変えていると。
おー、素晴らしい。
そして、舟歌の演奏。
マスタークラスの内容を訊く前に、生徒さんの演奏を聴かせてもらうと、これまでと音が全く違っていました。
これまで浅いところで止まっていた音楽が艶めき、自由に語り始めておりました。
私の方が、この曲はこんなに魅力的だったのか、と新たな発見をし学ばせて頂きました。
話を聞くと、ここはこのような場面、ここは・・、とダンタイソン氏がどのようなイメージかを話されたようで、それがとても腑に落ちたと。
素晴らしい。それを自分の演奏に結び付けていけるとは。
音楽を専門に学んだ方ではないので、マスタークラスを聴講することは初めてで、色々と聞けて良かったと。
その変化した演奏を聴いて、私は反省しました。
どうやったら音がもっと変化するのか、どうしたらイメージするものに近付けるのか。
私は技術的な問題が大きいのかと思い、その辺をよくレッスンしておりました。
しかし、その生徒さんには、音楽のイメージをはっきりと伝えるだけで自分で変えていくことが出来たのです。
この生徒さんは30年以上前からレッスンを受けて下さっています。
途中、私の方が引っ越してレッスンを見られなくなり、他の先生のレッスンを受けていらっしゃいましたが、その先生が退職されたのを機にまた私がレッスンをすることになりました。
以前教えられなかったことを伝えておこう、とレッスンをしておりますが、偏っていたと反省です。
この生徒さんの勘の良さ、呑み込みの良さ、そして何よりピアノがとても好きであること。
ちゃんと、その生徒さんに見合ったことを伝えられれば、生徒さんは自分で変わって行きます。