音を作り出すことを習い始めから身に付ける「不思議な音の国」
この教本には本当に助けられております。
ただ、ひとつだけ足りないことがあります。
和音の伴奏です。
2~5度音程の2音の伴奏は下巻にありますが、三和音はひとつもなく、終止形というものを感じ取ることが希薄になるのでは、と以前から思っておりました。
ポリフォニー(複数の声部)からホモフォニー(メロディーと伴奏)への移行は、その逆より容易であると思い、あまり気にしておりませんでしたが、「不思議な音の国下巻」にどの生徒さんも1年位かかります。
上巻で既に1年かかる生徒さんもいるので、下巻となるとそこからさらに2年はかかります。
3年間も厚みのある和音に接することなく過ごすのはどうだろうか、ということと、終止感というものを知らずにレッスンが3年過ぎる。
これは、やはり問題であると思いました。
速い生徒さんは上下巻、1年半で終わります。
余裕があるので、他の曲集から曲を渡すことが出来ます。
それでカバーできますが、ほとんどの生徒さんはそうはいきません。
発表会で和音の伴奏がある曲を渡すと、やはり経験の少なさから手こずります。
そこで、今試みようとしていることは、読める音域を不思議の下巻の内に4オクターブまで増やすことです。
そして、下巻が終わってから使っている曲集を下巻の途中から使い始めようと考えています。
技術的には無理はないと思います。8分音符まで進んだら使えるはずです。
ちょうど、自作の曲集があるので、それを1オクターブ高く・低くして書くことで、音域を増やせます。
別の曲集をいきなり使うと、生徒さんに突然習ったことのないことをしてもらうことになり混乱を招きます。
しかし、不思議の教本の音域を4小節のメロディーだけの曲で書き直すことは出来ます。
移調をしたらもっと強化できます。
ゆっくりでも着実にという信念ではありますが、遅くとも小学4年生の内にはブルグミュラーには進んでほしいと思います。
そんなことを考えておりましたら、イリーナ先生の動画でこのようなものが。
生徒さんたちは週2回のレッスンですが、進みが速いです。
生徒さんを選んで教えていらっしゃるというのはありますが、就学前の子供たちにここまで神経を行き渡らせた演奏を求めていらっしゃること、流石です。
ゆっくり進むことが、生徒さんに合わせ過ぎにならないように気を付けなければ、です。
イリーナ先生の、初歩でも、就学前でも、優しいけれど甘やかしてはいない姿勢。
これが、私には欠けているな、と動画を拝見して思ったのでした。