音符が読めない原因はいくつかあります。
いくつも、と言っても良いかもしれません。
ここで言う読めないというのは、丸の位置が線のどこにあるか判別できない、音符を横に読み続けるために目を動かすことが出来ない、という意味です。
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丸の位置がどこにあるかは、空間認知の力に関係しているかもしれませんが、その前に目が動かせているかです。
楽譜は五線のどこに丸があるか縦に見て判断し、それを右横に次々と繋いで読んでいきます。
縦と横の動きをほぼ同時に行います。
文字は形で判断しますので縦に目を動かす比率が楽譜より少ないと思いますが、楽譜は五線の寸法分の縦の移動距離があり、しかも上や下、真ん中と色々な所に音符が置かれます。
さらに、ピアノの楽譜は大譜表です。目でとらえる範囲が広くなります。
読字障害の、形の判別が苦手という視覚認知の問題とは違うと考えています。
私のこれまでの経験では、目が動かせていないために五線のどこに丸があるかわからない、という生徒さんが圧倒的に多かったです。
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LDのトレーニングに眼球運動をしてもらうものが実際にあります。
私はレッスンでそれをそのまま使いました 。
【逆あみだ】
普通あみだは上からたどりますが、それを下からたどります。しかも目だけで線を追っていくのです。下から上へ目を動かす方が動かすことを意識できます。
この紙は家に余っていたもので作ったので、サイズはイメージも何もなく作りました。測ってみましたら28×15㎝ 子供が持つのにちょうど良いサイズでした。
【迷路】
邪魔をする線に惑わされず目で追います。指でたどりません。
見にくいですが、ピンクの矢印が書かれたところからスタートし、どこに着くかというものです。
線をたどります。到着点にシールを貼ってあります。
こちらも余った紙なので継ぎはぎし、サイズは25×22㎝
子供が持つにはちょっとだけ大きいのですが、これ以上小さいと見づらいので、これが限界かと。
迷路をもっと単純にすると良いとは思いますが、このくらいでちょうど良いです。
迷路は、インターネットで検索すると色々出てきます。シールは誰も使わなくなった小さいものをペタペタ貼ったので、子供の冒険心を掻き立てないかもしれませんが、この迷路自体は面白がってくれます。
この2つをレッスンの始めに、目の体操と言って毎回行います。
3~4カ月も続けると、ほとんどの生徒さんは(目が動かせていないと思われる生徒さん)はこれが必要ではなくなります。
こちらは以前書いた記事です。
追従性眼球運動、跳躍性眼球運動についても書いてあります。
トレーニング法についても触れてありますので、よろしければご参考になさって下さい。
「音が読めるようにならない」子供たち2(第4号) - おとのくに♪♪
【表神経衰弱】
トランプの神経衰弱を表にして行うものです。
私はこれを音符のカードにして行いました。目を動かすことが苦手な生徒さんだけではなく、他の生徒さんにも遊びながら音符を読む練習に使えます。目を動かすことが苦手な生徒さんは、あまり数が多いとやる気を失うので、ピアノの鍵盤の上に2枚×2から慣れて行くと良いと思います。
こちらも以前書いた記事ですが、よろしければお読みください。
「音が読めるようにならない」子供たち3(第5号) - おとのくに♪♪