ムーティのオペラアカデミーの2日目を月曜日に聴講しました。
リハーサルの2日目を1日だけ聴講しただけですが、ムーティのリハの様子が色々と思い出されます。
振り返ると、おっしゃっていたことは基本的なこと。
しかし、そこが大切。
歌手にはレガートと発音のこと。
指揮者には、ここは4で振った方が良いとか、この動きはしない方が良いとか、指揮の動きはサークルになるように縦に振らないとか。
終始、皆に仰っていたことは、「どんな音がほしいのか、全て考えて出して」と言うこと。考えずに出した音には「私にも我慢の限界がある」と幾度となく仰っていました。
少し細かかったことと言えば、
歌手のEの発音の時に音程が下がっていると指摘されたり、
合唱のSop→Alt→Ten→Bassと同じ旋律が受け渡されるときに、Bassの入りが遅れているとおっしゃって、「もう1回」「もう1回お願いします」「もう1回やってみましょう」と5回位繰り返していたこと。
アリアでフルートとハープが一緒に演奏する所で、装飾音的な動きがあり、3人でピタリと揃えるのですが、指揮者にそこでそのまま振るのではなく細かく振り直した方が良いとアドヴァイスされ、実際に振ってみせたり、ハーピストの横に行って近くで振ってあげたりされていました。
きっと、受講している指揮者の方はもっと音楽の解釈を教えてほしいと思っていたかもしれません。しかし、その前に大事なことがあるなと思いました。
美は細部に宿ると、音楽家のどなたかがおっしゃっていましたが、こういう所を巨匠は決して疎かにしないのだと間近に拝見しました。
私自身、自分の演奏で細かな所が相当疎かになっているとこの3日間気になるようになり、ひどいもんだと思っている所です。
もっと参加できる日があると良かったのですが、生徒の発表会前でレッスンを休めないので、レッスンがない日しか行けませんでした。
しかし、1日だけでも行けて本当に良かったです。
来年も一般聴講があるかはわかりませんが、もしありましたら参加されることをお勧めします。
言葉は、同時通訳のトランシーバーを貸して頂けます。
(私は最初、ムーティの話す英語とイタリア語しか聞こえてこず、イヤホンを通した方が聞きやすかったですが、これじゃ通訳じゃないし・・と思っておりましたら、設定のチャンネルが違っておりました。途中から同時通訳で安心して聞けました )