名ピアニストが数多くいる国と言えば、間違いなくロシアだと思います。
そして、その周辺の東欧にも昔から素晴らしいピアニストがいます。
名前を書き出してみましたら、ピアニストはほとんどそれらの国出身かと思うほどでした。
個人の好みで言うとフランスのピアニストも昔から好きです。
東欧に関してはピアノ教育の質の良さがあると思いますが、寒い国ということも関係があるのではと思っています。
厳しい寒さに耐える環境が、時間の過ごし方、精神の強さや深い思考などを生み出すひとつになっているように思います。
寒いとヒョイヒョイ動けませんので、自分のペースで自由に動くことに制限が生じます。
もうひとつのブログで東欧のピアニストを一人ずつ紹介してみようと始めました。
既にこの世にはいないピアニストから紹介しています。
ホロヴィッツやリヒテルは私の年代でも馴染みがありますが、ルービンシュタインとなると私には少し遠い時代のピアニストです。
亡くなったのは1982年ですが、コンサートは1976年のウィグモア・ホールを最後に引退しています。
70代の方々にはショパンと言えばルービンシュタインかもしれませんが、私の時代はアシュケナージ、ポリーニ、アルゲリッチという感じでした。
さて、リヒテルがギレリスの演奏する<ブラームス ピアの協奏曲第2番>を称賛し、「だから私はこの曲を弾かない」と言ったそうなので、どのような演奏なのだろうと聴いてみました。
素晴らしいです!
立て続けに3回聴いてしまいました。
起きて朝一にも聴いてしまいました。
長い曲なのに・・
しかもカントロフとツィメルマンの演奏も聴き比べてしまいました。
2人とも大好きなピアニストですが、ギレリスの演奏はこれ以上ブラームスの音楽にピタリとくるものは無いのではないかと思うほどで、何処もかしこも聴き入ってしまいました。
オケもとても良くて、両方とも相乗効果で3倍にも4倍にも熱量が上がっている感じです。
今は亡きピアニストの演奏を聴いていて、その演奏を聴いている間は演奏家は生きているという感覚になりました。
名ピアニストの力で余計にそれが強く伝わるのかもしれません。そして、作曲家もその演奏の間は蘇るのです。
音楽はこのような不思議なものです。
生き続けます。
Brahms: Piano Concerto No. 2 in B-flat major, Op.83 - Emil Gilels, Eugen Jochum, Berlin Philharmonic