東京文化会館小ホールでエマールを聴いてきました。
プログラムは、リゲティを核に交互にベートーヴェン、ショパン、ドビュッシーを挟む面白いプログラム。
エマールは、新しい時代の楽曲をもっと自然に楽しむ感覚で聴いて頂けるように、古典とロマン派と組み合わせることを考えたのだそう。
前半はリゲティ「ムジカ・リチェルカータ」にベートーヴェン「バガテル Op.33、Op.119」を交互に挟み込みました。
後半はリゲティ「エチュード」にショパン、ドビュッシー「エチュード」を交互に挟み込みました。
意外にもベートーヴェンがリゲティと交互に聴いても違和感がありませんでした。リチェルカータは発想のユニークな曲ですが、2人の緻密さが聞こえてきて面白かったです。
古い時代であるはずのベートーヴェンが古い気がせず、選曲が上手かったのもあると思いますが、「取るに足らないもの、つまらないもの」という意味の「バガテル」が、ベートーヴェンの手にかかるとエッセンスの集合体のようで、ベートーヴェンを知るにはバガテルを弾いた方が良いのでは、と思ったほど。
後半は、リゲティのエチュードをエマールの生演奏で、こんなにたくさん聴けて感激でした。
以前に聴いた気がしていましたが、その時はアンコールでリゲティがエマールに献呈した「魔法使いの弟子」を聴いたことがあるだけでした。
今回聴いていて、そう言えば初めてなんだと気付き感無量。
「悲しい鳩」と「ワルシャワの秋」、良かったです。
エマールの音を聴いていると宇宙という感じ。
何言ってんの?ですが、様々な音が聞こえてきて痺れます。しばらくボ~ッとしてしまいます。
以前オペラシティで聴いた「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」もとてつもない世界でした。
あれはできるなら、また聴きたい。
今回は、エマールの狙い通りなのか古典、ロマン派、印象派が織り込まれていたので、女性客も少なくはありませんでした。
以前現代曲だけのエマールのリサイタルに行った時に、休憩時にWCに1ミリも並ばずに済み、ほぼ男性客で驚いたのですが今回は違いました。
でも、年齢層が高いです。
私も若くはありませんが、私より年上の人も男女とも結構多くいらしてました。
そんな中、このプログラムは私の好きなピアニストさんが好きそうだな、来てたりして、なんて思っておりましたら、本当にいらしていました。
休憩中に遭遇。
今月そのピアニストさんのこれまたちょっと変わったプログラムのリサイタルに行きます。
楽しみ